愛の香り。Fuma.K -4- (ページ3)

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あ「…バカ」

泣きながら、その言葉だけを絞り出した。

風「バカはお前だろ？」

ふっと笑って、私の頬を流れる涙を拭ってくれる。

視線を風磨から外せない。

風「…泣き虫で意地っ張りで、弱いくせに強がってばっかりだな、(人1)は」

あ「…仕方ないじゃん。なんか文句あるの？」

なんだかんだ「弱い人間だ」って断言されてるみたいで

むっとしながら睨むと、そのまま額にキスを落とされた。

…瞼、頬、髪…

小さくリップ音を響かせながら、たくさんのキスをもらう。

心臓がバクバクして、いつの間にか涙は止まっていた。

もう一度額に柔らかくキスされて、ゆっくとお互いの顔が近付く。

唇が触れるか触れないかのところで

「…だから放っておけねぇんだよ」

そう囁かれて、唇に吐息を感じた次の瞬間には…もう離れていた。

………またお預け！？

呆然とする私の手を引いて車に向かう風磨は

一体何を考えてるんだろう。

悔しいから、もうとっくに惚れてることは言ってやらない。

車にたどり着くと、なんだか名残惜しくなって海を振り返った。

オレンジ色が眩しくて、手をかざして影を作る。

すると…後ろから、ふわりと抱きしめられた。

風「…今日1日が誕生日プレゼントだから」

その言葉に胸が高鳴る。

まわされた腕をきゅっと握ると

風磨が背後で微笑む気配がした。

風「誕生日、おめでとう」

…知ってて、今日連れてきてくれたんだ。

なんだか、胸がいっぱいで言葉が出なかった。

本当に…

最高のバースデープレゼントだよ。

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