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あ「あなたは本当にこれでいいの?」
風磨の目をまっすぐに見つめて。
声が震えないように。
風「…(人1)、気付いてる?ここ、あの写真の場所なんだけど」
はっとして周りを見渡した。
…ほんとだ。
あの木、お土産にもらった写真の隅に写ってたのと同じな気がする。
いつの間にか隣に来ていた風磨に、あの写真を渡された。
…本当にここなんだ。
やっぱり風磨は、ここに連れてきてくれるために沖縄に来たんだ。
意味もなく泣きそうになるのを、ぐっと堪えた。
写真の中の蒼が滲む。
写真から風磨へ視線を動かすと
その眼差しと絡まってそらせなくなってしまった。
あ「…っ私のことなんか放っておいてよ!!」
何もかも見透かされてるみたいで怖い。
…お願い。
このまま突き放して。
本当に離れられなくなってしまうから。
それが怖いから。
後になって離れていくなら、今のうちに突き放して。
でも、風磨は私を強く抱きしめた。
ドキドキと煩い心臓。
風磨の声が響いてくる。
風「…んなこと言うな。分からないなら知ればいい。俺が教えてやるから。……絶対に、お前を俺に惚れさせる。『死ぬほど愛してる』って思わせてやるよ。…この、空と海に誓って」
…涙が溢れた。
突き放してほしいのに、そばにいたい…私の矛盾した願い。
自分が分からなくて
自分が大嫌いで
“愛”を知らないから、それを求めながら拒絶してる。
矛盾だらけだけど、風磨の前ではそんなもの無意味なんだ。
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作者名:北斗七星 | 作成日時:2015年7月24日 1時