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じっくりと見てみると


それは綺麗に細工が施されていて


表には小さく文字が彫ってある。



___a miracle to…___



指輪をまわして“to”の後を見ようとすると


風磨が小さく寝返りを打って


指輪は、私の手からするりと逃げていってしまった。



…なんだ、残念。


でも、風磨の寝顔が可愛くて


まぁいいかな…なんて、私は思ってた。





…この時、その続きの文字を見なくて


良かったのか、悪かったのか…


私には分からない。



風磨が、この指輪にどんな奇跡を刻んだのか…


それを知るのは、もう少しだけ先の話…。







あ「きゃーっ!!」



…ただ今、テンション急上昇中です。



風「…うるせぇよ、(人1)」



隣のシートでは、風磨が呆れたように…


でも、楽しそうに笑っている。



あ「だってだって!…きゃーっ!」



窓の外に広がるのは


エメラルドグリーンの蒼い海。


所々、色が微妙に違っていて


そこにサンゴ礁が存在してることを主張している。



あ「…すごいっ!こんな綺麗な海、写真とかテレビでしか見たことないっ!」



あまりの興奮に、早口で感動を口にする私を


風磨は一瞬寂しそうに見た。


でも、その表情は本当に一瞬で


すぐに笑顔に戻ってみせた。



風「…マジで財閥令嬢とは思えねぇセリフだな」



飛行機が、さっきからグルグルと旋回を続け


徐々にその高度を落としていく。



私はただ窓を見つめて


その海を、浮かぶ島々を眺めていた。





風「…お気に召しましたか、お姫様?」





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作者名:北斗七星 | 作成日時:2015年7月15日 1時

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