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腕の中で微動だにしない私に、勝利は言葉を続けた。



勝「(人1)が好き。俺、年下だけど…まだ1年中学残らないといけないけど、マジで(人1)のこと好きだから」





___…ジャリ…





音がして振り返ると、目を大きく見開いた梓がいた。



梓「…あ、ごめん…。邪魔…だったよね」



梓はそれだけ言うと、踵を返して走っていった。



あ「…っ梓!」



勝利の腕を振りほどいて梓を追う私を


後ろから勝利が追いかけてきた。



勝「…っ(人1)!返事待ってるから!」



でも、私は何も考えられなくて


梓のことで頭がいっぱいで


力の限りに走った。



息が上がって苦しくて


体が悲鳴をあげてたけど


それでも走った。





嫌な予感が駆け巡る。



…私は、また知らなかったのかもしれない。



はるちゃんの気持ちも、梓の気持ちも


知らないうちに踏みにじってたのかもしれない。



…涙が出た。





信用されてなかったことへの悔しさと


気付けなかった自分への嫌悪と


知らないうちに人を傷付けてしまってた事実に…吐き気がした。





涙がこぼれたことで、さらに呼吸が苦しくなって


目の前がぼやけて、前を走る梓が滲んだ。



それでも袖で涙を拭って


必死に梓を追いかけた。



きっと、ツラいのは私なんかより…


はるちゃんや梓の方だ。





もし本当に梓が勝利を好きなのだとしたら


私は最低なことをした。



私に光をくれた梓に、恩をあだで返したようなものだ。



…謝るから…何度だって


どんなことをしたって謝るから…!





走り疲れたのか、前方で梓が膝に手をついて止まった。



あ「…梓っ!」



数メートル手前で私も止まり、名前を呼ぶ。



それに対し、梓はビクッと体を揺らし…こちらを振り向いた。



目は真っ赤で、肩で呼吸をしていて


居たたまれない気持ちが押し寄せる。





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作者名:北斗七星 | 作成日時:2015年7月15日 1時

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