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風「ほら、気を付けろよ?」
自分の失態への羞恥と
風磨の優しい眼差しのせいで
また真っ赤になってしまう。
あ「…ありがと」
風「ほっとけねぇ猫だな、お前は」
顔を赤くして俯きながら小さくお礼を言うと
風磨は笑いを含めた声で言った。
私は、なんだか悔しくなって
風磨を軽く睨みながら
あ「…猫は世話が焼ける方が可愛いでしょ?」
嫌味っぽく言ってやったのに
風「…ははっ!じゃあシートじゃなくて俺の膝の上に乗ってるか?お前は俺の“可愛い猫”なんだろ?」
そんな思わぬ答えが返ってくるものだから
あ「…シートでいいっ!」
さらに赤く染まる顔を見られないように、私は必死だった。
すると、風磨はくすくす笑って
風「…なんだ、残念」
そう言ってから私の頭を撫でた。
…なんだか、すっかり風磨のペースだ。
しかも、かなり甘々…。
風磨といると、ありえないぐらい心臓が速くてうるさい。
まるで、早死にするんじゃないかと思うほどに…
風「ほら、こっち来いよ」
私はこんなにもドキドキしてるのに
風磨は余裕な態度で私の手を引いて、シートに座った。
…わざと、風磨との間を1つ空けて座ってみる。
案の定、風磨は不機嫌な顔をしていて
ちょっとだけ仕返し出来た気がする(笑)
そう思って、心の中で小さくガッツポーズしてみたんだけど…
あ「…なに?」
風「いや、やっぱり可愛いなーって思って」
結局、私は風磨に振り回される運命みたい。
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作者名:北斗七星 | 作成日時:2015年7月15日 1時