検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:1,486,827 hit

*93* ページ13







風「見ねぇからな」



探るような眼差しを向けてくる風磨から


思わず視線をそらしてしまう。



あ「…私、見たいんだけど」



小さくそう言った途端、ギロリと睨まれた。



風「…なんで?」


あ「いや…『なんで』って言われても…」


風「ねぇから」



風磨はぴしゃりとそれだけ告げると


「もう寝る」と、寝室に入っていった。



ほっと息を吐くと同時に、寂しさが私を襲う。



…もう少し、一緒にいたかったんだけどな。



時間は、まだ22:00をまわったところ。


…夜は長い。



暇つぶしのDVDもなくて


どうしようかと考えを巡らせてみるものの


結局、いい方法なんて浮かんでこない。



とりあえず、テレビをつける。


ただ音声を聞いて、映像を見て…


でも、頭の中は風磨のことでいっぱいだった。



慣れない場所だと眠れないってこと


風磨に言うべきだったかな。



いや、でも…


そうしたら、きっと話さなければならない。


あの夢のことも、その原因となる過去も


傷も不安も、全部…



ふるふると頭を振って、テレビに集中した。





夜は更けていく…


眠れない私を、1人残して。







風「…うわー…なんか、すっげぇ見覚えある光景なんだけど」



朝、寝室から出て来た風磨が


開口一番にそう言った。



あ「あ、おはよー」


風「…また寝てねぇの?」


あ「…寝ちゃうの、もったいなくて」



笑顔を作ってそう言うと


風磨は何も言わずに、私の頭を優しく撫でた。



きゅんと、私の胸が音をたてる。





私、やっぱりこの人が好きだ。





*94*→←*92*



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (596 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1473人がお気に入り
設定タグ:菊池風磨 , 佐藤勝利 , sexyzone
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:北斗七星 | 作成日時:2015年7月15日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。