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次に目覚めたのは、真っ白の空間だった。
風も感じない、何もない真っ白の部屋。
部屋…と言っていいのか？
正直、今俺がどういう状況なのかが分からない。
立っているのか、座っているのか、起き上がっているかすらわからない。
手を伸ばしてみるが、ただ虚空を切るだけ。
脚を動かしてみても、何も感覚が無い。
さっきのが天国だとすれば…ここは地獄か？
思っていた地獄とは違うな。
声を出そうとしたが、出なかった。
『………！！』
口を幾ら開閉しても、声帯を震わそうと力を込めても掠れ音も出ない。
その代わり、他の声が聞こえてきた。
「出来損ないが！！」
「アンタなんて産まなきゃよかったわ！」
「兄さん……」
やめろ
「こんな事も出来ないのか！」
「罰として外周20と晩御飯抜きよ！」
「やめてよ！兄さんが死んじゃう…！」
「いいのよ陸人、悠人。あの出来損ないの事は放っておいていいの」
やめてくれ
この記憶を思い出させるな。
「兄さん！」
「兄貴！」
やめろ
寄るな！
俺に近付くな！
『俺を兄と呼ぶな！！名前を呼ぶな！』
『もうやめてくれ！！』
すると、電源が切れたように辺りが真っ暗になった。
『やめて、くれｯ……』
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作者名：モンエナ子 | 作成日時：2022年9月19日 21時
