異世界1 ページ3
いつも通りレイシフトしたはずなのだが、周りにマスターが居ない。
それに、魔力も感じないのだ。
カルデアへの連絡も不可。
一体全体、何があったというのだ……
1度冷静になって周りを見渡す。
ここは路地裏のような場所で、周りに誰もいない。
外をチラ見すると、街並みが見えた。
凄く栄えているのだろう。
尚更、どこにいるのか分からなくなってきた
もし私ではなく、ビリー・ザ・キッドならどうしていた？
……分からない。
流石にこれは分からない。
とにかく、近くを見てみよう。
…この路地裏から出て、街を歩く。
とりあえずそれをしてみよう。
そう、単騎の……それもマスターのいないレイシフトだと思えばいいのだ。
『……無理があるかな』
10秒後には、誰もいない静かな路地裏へと戻っていた。
そこに、1本の銀色、綺麗な髪の毛が落ちていた。
＿＿＿＿＿
『とう……きょう？』
確かに、「東京」と書かれた看板を見つけた。
一度レイシフトで来たことがあったような…？
残念だが、私はマスターが第5特異点の時に召喚された。
それまでのレイシフトでは知らないが、人理修復をなしとげた後に行ったかもしれない。
記憶力が無いのは許して欲しい。なんせイベント続きだったのだから
『さて。ここからどうするか』
正直これは考えても仕方が無いので、歩き出す。
一歩一歩が重く感じてしまう。
レイシフト失敗はあったとしても、近くに誰かがいたはずなのだ。サーヴァントか、マスター。
知らない場所に、まわりは誰もいない。
通信すら繋がらず、魔力すら感じない。
幸い単独行動があるため、少しだけならば大丈夫だが…
この状況で、魔力供給は出来ない。
『……私にどうしろってんだよ……』
誰にも聞こえないこの言葉は、無駄に天気が良く眩しい太陽に向けての悪態。
もしくは天かも。
ここから私の歯車は、大きく動き出す＿＿＿
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作者名：えるるぅ | 作成日時：2019年1月23日 20時
