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最終話 ページ49

「Aちゃんにずっと伝えたかったことがある。」

「3年前、初めて会った時からずっと」

「ずっとAちゃんが好きやった。」

「俺と、付き合ってください」


グッと、右手を握りしめた。
試合よりドキドキするやん。


「私も、伝えたいことがあるんです。」


返ってきたのは、YESでもNOでも、ハイでもイイエでもなくて。

俺は黙って続きを聞いた。


「遥輝さんは…カッコよくて、野球に対して真剣で…有言実行してくれるいつでもかっこいい人で…
最初は仲良くしてくれるいい人だな、ってくらいにしか思えなかったのに…
メールでやり取りするうちに、テレビで試合を見るうちに、どんどんどんどん存在が大きくなって…
会いたくて会いたくて仕方なくなって。思わず会いに行っちゃったり。」


いつかと同じ、真っ直ぐな目で俺を見つめる。

初めて会った時…試合見に行くから頑張ってって言われたときと同じ、まっすぐな目。



「初めてなんです、こんなに特別に思える人。
だから…私でよければ、遥輝さんの特別にしてくださいっ」


あの日約束したマカロンが入っているであろう小さな紙袋を差し出しながら、俺に頭を下げるAちゃん。


俺は差し出されたマカロンなんて気にしないで、Aちゃんを抱きしめた。


「よっしゃあああっ」


ずっと、ずっとこうしたかった。
腕の中に、Aちゃんが、いる。


「遥輝さんのこと、一番近くで応援してもいいんですか?」

「当たり前やん…!!てか他のやつの所なんて行ったら怒るで!!」

「あ、それって…翔もだめですか?」

「………大将はええわ(笑)」

「(笑)」


笑いあって、見つめあって。
そのまま、お互い引かれるようにキスをした。









彼女は先輩の親戚で。




試合の遠征に行った時、先輩の家でご飯をご馳走になった時に出会った。





今となってはそれなりに有名な、中田会である。





そう、彼女は大将こと、中田翔さんの従姉妹。






歳は俺の一つ下で、職業はパティシエ。






大将の親戚とは思えないくらい華奢で




重たい小麦粉やらを運んだりするから意外と力持ちなんだ、と彼女は笑う。




幼い頃は大将といっしょに野球をやっていたらしい。





ポジションはピッチャーだと誇らしげに話していた。




今でも暇な日は、地元の少年野球チームの練習の手伝いに行くらしい。




野球が大好きだと笑顔で語る彼女は





それはもう美しくて、可愛くて




俺の、世界で一番大切な人。

あとがき。→←46


ラッキー食べ物

すし


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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時

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