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クライマックスシリーズ。ロッテvsソフトバンク。
勝ち上がってきたのはソフトバンクだった。
さすがの強さだ。
こっちの練習にも気合が入る。
しかしながら、練習が終われば一転、俺の意識はAちゃんへの告白という方向へしか働かなくなる。
今も、そうだ。
そして、今1番気がかりなことは、有原の事だった。
今やチーム内で俺が日本一になったら好きな子に告白する、というのを知らない人はいないだろう。なんたって宮さんが言いふらしてたんだし。
有原は、その好きな子というのがAちゃんだと知っている。
そして、有原の好きな子もAちゃんだ。
有原は同級生だし、仲良いし、これがきっかけで仲悪くなったりしたら嫌だな、って考えていて、1度ちゃんと面と向かって「Aちゃんに告白する」ということを話しておきたかったのだ。
というわけで、今日は有原と雄也で同級生会だ。
「かんぱーい」
ビールジョッキのぶつかる音が個室に響く。
同級生とはいえ、三人でご飯というのもなかなか珍しい。初めてかもしれない…?
最初は野球の話題だったのが、事情を知る雄也の見事な話術で、いつの間にかAちゃんの話になった。
「そういえば遥輝、告白するんだっけ?」
「…日本一なったら、って考えてる。
有原は告白せんの?」
「そうだよー。有原も告白しちゃえばいいじゃん!」
そしたら有原は、なんだか複雑そうに笑った。
「俺もう振られてるからなあ」
これには俺も雄也も驚いて、開いた口が塞がらなかった。
「え、それは学生時代の話とかじゃなく?」
「いや、去年の年末…あれ、年始だったかな?」
「どっちにしろ結構前じゃん!告ったの?」
「新人王取った時に連絡が来て…で、年末年始ちょこっと広島帰ったんでその時に会って……」
「まじで!?」
「先輩以上には思えない、って言われたけどね…(笑)」
雄也と話してた有原が突然俺とばっちり目を合わせてきた。
「Aは好きな人がいる、って言ってた。
俺はそれが遥輝だと思うし、そうだったらいいなって思う。」
「有原…」
振られて辛いはずなのに、ライバルである俺を応援してくれる有原に思わず泣きそうになる。
いいやつすぎる、こいつ。
「まずはCSで、ソフトバンクに勝とう。俺も精一杯投げるし。だから遥輝も全力でな!」
「そんなんあたりまえやろ!」
「俺も俺も!」
「絶対、日本一になろう…!」
打倒ソフトバンクを誓って、俺達は改めてジョッキをぶつけ合った。
ラッキー食べ物
すし
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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時