3年目の決意

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残念なお知らせだ。



今年、2016年の交流戦はズムスタでの試合がない。

ということは

大将の家で行われる中田会が、ない。

ということは

Aちゃんに、会えない。


｢なんでやねん…｣

｢落ちてんなー遥輝｣

｢拳士さんうるさい…｣

｢なんで！？｣


会える機会は交流戦くらいしかないのに。
その機会を潰されたら誰だって気落ちするだろう。


あーあ。

今年は会えずに終わるのかなあ。



そんな気持ちで2016開幕。

スタメンにはなれたものの、一番打者の座は、ダイさんに取られた。


すぐに取り返す。
勝ちたい気持ちを常に持つ。
相手チームに、チームメイトに、そして自分に。


Aちゃん、メンタルコーチとかもできそうだなあ、なんてあの日から考えてしまったりする。
それくらい彼女の放った言葉たちは確実に俺の心に響いた。




開幕直後はあまり調子が振るわなかった。俺もチームも。っていってもまだ開幕3日目なんだけど。
試合のあと、Aちゃんにメールをしたら

｢弱音吐いてもいいことは起きませんよ！
次札幌ドームなんですから、ホームで沢山のファンの方に遥輝さんのカッコイイとこ見せてあげてください！私もテレビですけど応援しますから！｣


というお言葉をいただいた。


｢いいこと言うね、Aちゃん｣

突然背後から聞こえた声にビックリして振り向けばそこには卓さん。

｢びっくりしたー
てか覗き見しないでくださいよー｣

｢ごめんごめん。
でも遥輝、ほんとに弱音吐いてもなににもならんとよ。吐き出す言葉だけでも強気でいかんと。｣

｢わかってます…｣

｢遥輝、自分で思うより言霊ってすごかよ。
じゃ、シャワーあびてくる。｣

｢……ことだま？｣


言うだけ言って卓さんはシャワールームへ。

気になった俺は言霊をWiki〇ediaで調べて、ひとりロッカールームで二人の言葉に納得していた。


それから2日。
札幌に移動して、今日は札幌ドームでの試合。

言霊というものを覚えた俺は、とりあえずなにかいいこと言っとこうと思ってAちゃんに｢今日打つ！｣とだけメールをした。

するとあら不思議。

5打数3安打。

ほんとに打ててしまった。これはルーティン化するべきか？でも毎日決意表明メール送られてくるAちゃんからしたら迷惑か……むむむ。

考えた末に翌日はメールしなかった。そしたら全然打てなくて。

今後は出来る限り、うざくならない程度に、たまーにメールさせてもらおうと思った。

｢(言霊すげーなー)｣

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