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あのキャッチボールの日から、数日経って。
俺は一軍に、戻ってきた。
あの日あったことを翔さんに話すと
｢あいつ…連絡すな言うたのに。｣
と、約束を守らなかったことに少々お怒り気味のご様子だったが
｢まぁ遥輝が立ち直るきっかけになってくれたんならよかったんちゃう？｣
なんて笑ってくれたから良しとしよう。
久々に一軍のグラウンドに立って、バットを振るとなんだかワクワクが止まらなくて。
まぁその日の試合は1安打だったんだけど。
その二日後にはホームラン。
あの頃の不調が嘘かのような当たり。
守備も上々。
なんといっても、野球が楽しい。
もちろん負ければ悔しい。
打てないのも悔しい。
だからこそ、次勝つために練習する。
勝ちたい。
ただその想いだけで、こんなに野球が楽しくなるなんて。
『野球を本気で楽しめるのは、本気で勝とうとする人間だけです。』
あの時Aちゃんが言った言葉が忘れられない。
勝ちたい。
チームのために。自分のために。
あんなに俺を想ってくれたAちゃんのために。
｢なに、その顔。またAちゃんのこと考えてんでしょ｣
通りすがりの卓さんが、俺を見てそう言った。
また恋してる顔してたかな？
ていうか、ほんと、あの。
Aちゃんの中で俺ってどんな立ち位置なんだろう。
てっきり、男友達認定されていると思っていたけど、ただの友達のために広島から千葉まで来て背中押すようなことするか？
それだけじゃない。
試合後ほぼ100%で｢お疲れ様｣ってメールをくれたり
祝い事の度に手作りのお菓子送ってくれたり
普通の友達に、そんなことするだろうか。
少なくともAちゃんの先輩である有原はされてないことだ。(たぶん)
自惚れてもいいかな。
近くにいた卓さんにも、あったことを伝えてみた。
｢へー、超いい子じゃん。
でも俺ならわざわざ広島から千葉までは行かねーな。相当大切な人じゃないと。｣
自惚れてもよさそうだ。
｢遥輝、そろそろ言っちゃえば？
脈アリっぽいじゃん｣
自惚れるし、他人の目から見ても脈ありっぽいけど。
頭にチラつく大将の言葉。
『Aの好きな男のタイプは俺より野球の上手い人』
それ考えちゃうと、まだまだだよなあって思いが勝ってしまう。大将に勝てる日なんか来るのかって思うけど(なんてったってあの人は日本の4番だし)。
｢来年いい成績残せたら、っすかね｣
でも勝ちたい気持ちは捨ててない。
いつか、必ず。
ラッキー食べ物
すし
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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました！面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…！ (2017年2月20日 21時) (
レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます！！すっごく面白かったです！！！ (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます！有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫椏 | 作成日時：2016年11月27日 10時
