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それでも、走ることだけはやめなかった。

Aちゃんに「遥輝さんらしくない」と言われてから、俺らしさって何だろうって色々考えた結果。
Aちゃんが言う俺らしい姿っていうのは、走ることなんじゃないかって思って。


塁に出る、盗塁でチャンスメイクする
とにかく脚で稼ぐこと。
守備も攻撃も、俺の持ち味はやっぱり脚だって。


盗塁王も取れる位置にいる。
盗塁王取れば、あのミス達はチャラにならないだろうか、なんて考えたりもした。



けれど、そんな甘い考えはすぐにへし折られた。


9月13日、二軍降格。

この時期に?
盗塁王がかかってるのに?

嘘やろ、って。



だけど拒否権なんかもちろんなくて。

俺は大人しく鎌ケ谷に向かうしかなくて。



あーあ、なにやってんだか。

なっさけな。




鎌ケ谷の練習場でバット振りながら上の空。

こんなに身の入らない練習初めてだ。


そんな日々が数日続いて。


ある日寮に戻ってスマホを見たら、メールが1件届いてた。
どうせなんかのメルマガだろうと、送信者の名前も見ずにメールを開いた。


「遥輝さん、お久しぶりです。

私は今、鎌ケ谷にきています。

時間があればで構いません。

20時に◯◯公園に来てください。
あ、グローブ持って来てくださいね。」


慌てて送信者の名前を見れば、Aちゃんで。

時計を見れば、20時なんてとっくに過ぎてて。


慌てて支度して、グローブ引っ掴んで、寮を飛び出した。


◯◯公園って、寮から割と近くにある少し広い公園だ。なんでそんな所にAちゃんがいるんだ?

頭の中は疑問符だらけ。
それでも、会いたい気持ちが勝って、全速力で走った。


公園について、呼吸を整えていたら
ブランコが「キィ」と音を立てて揺れているのがわかった。


「Aちゃん…?」

「! あ、遥輝さん…」


来ないかと思った、とAちゃんは笑った。

そりゃそうだ、時刻は指定された20時を大幅にすぎて22時近いし、連絡の1本も入れなかったのだから。


「あ、ごめ」

「謝らないでください。突然来たのは私だし。」

「…なんでこんなとこにおんの?」


そう尋ねれば、Aちゃんは1度大きく呼吸をして、いつも以上にまっすぐ俺の目を見た。


「約束を、果たしに来ました。」

「…え?」

「遥輝さん。キャッチボール、しましょう」



予想外すぎる答えに、俺は何も言えなくなった。

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ラッキー食べ物

すし


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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時

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