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楽しい時間はあっという間…というよりも、明日も試合だから、と早めにお開きになった。
ホテルに帰ろうと準備をしていると
「あの、遥輝さん、」
と、なんとあのAちゃんから声をかけられた!
「なに?」
「あした、はいけないんですけど…その、明後日は観に行けるかも、って。」
相変わらずおどおどとしていて視線は合わないが。
でも、今
観にきて、くれるって、言った?
「翔がチケット用意してくれてたんで、その…観に行くので…えっと……」
そこでAちゃんはずっと視線をさまよわせていたのに、いきなりバッと顔を上げ、俺をまっすぐ見つめて
「がんばってくださいっ!」
って。
何この子。かわいすぎん?
明日も明後日も、何が何でも打ったろ、って思った。
いいとこ見せたいな。
「なぁAちゃん、連絡先交換せぇへん?」
キョドってるのか、照れてるのか。
え、とか、う、とか、言葉になってないAちゃん。
「ほら、携帯出して、俺に貸して」
半ば無理やりAちゃんの携帯を受け取り、アドレス帳に自分の名前を登録する。俺の携帯にもAちゃんの名前を登録した。
そのアドレス帳の画面をAちゃんに見せて
「これ俺やから。連絡してな。」
「…」
「返事は?」
「は、はい…!」
「よくできました。」
流れで行ける所までいったれ、と強気になった俺は、Aちゃんの頭をポンポンと撫でてやった。
実はちょっとだけ緊張して手が震えてたなんて、内緒だ。
ちょっと離れたところから、拳士さんが暴れないように押さえつけつつ、こちらをニヤニヤみている大将がちらっと目に入って、あとでお礼を言おうと思った。
翌日。
試合は雨天中止。
俺達は室内練習場で軽く練習を行い、あとはホテルで思い思いに過ごすことに。
マツダスタジアムは札幌ドームと違って屋根がない。天候に色んなものが左右される。
明日は大丈夫だろうか。せっかく、Aちゃんが来てくれるって言ってたのに。
コンコン、とドアが叩かれる。
開ければそこには大将がいて、どうぞ、なんていう前にズンズンと部屋の奥へ。
「卓は?」
同部屋の卓さんは鍵谷さんと外にご飯に行っていて今はいない、と伝えると二つ並んだベッドの一つにどっかりと座って
「なぁ、おまえAのこと本気?」
なんて。
その時の俺を見る大将の眼光は、鋭すぎて正直めっちゃ怖かった。
ラッキー食べ物
すし
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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時