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5月。
Aちゃんの知り合いと言うだけで少しだけ嫉妬の対象になっている有原が一軍に上がってきた。
その時の印象はほんとこいつデカイ。
(俺179cmで有原189cm。
俺76kgで有原100kg。)
ピッチングも素晴らしいもので、まぁ二失点したものの、野手の援護もあり(俺は何も出来なかったけど)、初出場にして初勝利。
一年目からいいスタートじゃないか。レアードに感謝しろよ有原。
試合後、ロッカーでいつも通りメールチェック。
Aちゃんからの試合の感想とお疲れ様という内容のメールは、なにより1日の疲れが癒える特効薬なのだ。
「えっ」
声を発したのは俺じゃなく、有原だ。
スマホを片手に嬉しそうに口角が上がっている。
……彼女、とか?
「有原、どーしたー?」
奨太さんが有原に声をかける。
「や、高校の時の野球部の奴らからLINEきててびっくりしただけっす」
「初勝利だもんなー、周りも喜んでくれるなんてよかったじゃないか!次も頼むぞー!」
「はい!」
なんだ、友達か。
つまんねーの、なんて。
俺は女子高生かっての。
6月。
ただ今、広島への移動中。
今年も、一軍で交流戦を迎えれた。
またAちゃんに会えるぞ。って俺の意識はそこにしか行かない。
もちろん試合中は試合に集中してる。そこは勘違いしないでほしい。
「遥輝〜またAちゃんに会えるな〜」
「あーもー、拳士さん毎回うるさい」
「毎年恒例の口説き落とし、期待してるからな〜?」
「うるさいですって」
ほらもう。拳士さんのせいでAちゃんのこと知ってる奴らみんなニヤニヤしてんじゃん。
その中で1人、俺とAちゃんのこと知らないはずのルーキー有原だけが、不思議そうな顔をしていた。
「Aって、いや、まさか」
「有原どしたー?」
「…知り合いに同じ名前の奴がいるんですけど、まさかと思って。」
「あー、多分同じ人やな。Aちゃん、有原入る時メールで知り合いやって言ってたわ」
有原の目が一瞬、少し大きく見開かれた。
有原は、そうすか、と小さく返事をして、何かを考え込むかのように俺から目をそらして流れていく景色を見てた。
ただの知り合いだろ?
それとも、
2人には何かあるのか…?
隣に座ってた卓さんと目を合わせて二人で首を傾げる。少し離れて座ってた翔さんは、爆睡してるし、聞けないか。
一体どんな関係なんだ?
俺の知らないAちゃんを、有原が知ってるのかと思うと、少し、モヤモヤした。
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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時