3年目の決意

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背番号が変わることになった。


それも、とてつもなく重みのある番号だ。


『26』から『8』へ。
それは、10月1日まで大先輩である金子誠さんがつけていた背番号。
誠さんの前につけていた人たちだって、みんなチームの支柱となってきた、いわばチームリーダーの番号だ。当然、その伝統というものを守るため、自分もそう言った立場になるよう頑張らなきゃいけない。

新たな『8』伝説を創る、と。
ファンフェスティバルのステージで大勢のファンの前で約束をした。

そのファンフェスの夜、Aちゃんにメールした。

｢To:Aちゃん
subject:背番号

来季から背番号『8』付けることになった！
さらに進化する俺を見逃さんといてな！！｣


｢From:Aちゃん
subject:Re:背番号

1桁ですか！すごいです！
今年の活躍が認められましたね！
しかも8番って金子さんの跡を継ぐんですね！！
周りからの期待も大きいかとは思いますが、遥輝さんらしく来季も頑張ってください！｣



Aちゃんからのメール一つでやってやるぞ、と気合が入った。
正直、背番号8はとても重く感じて、ちょっとヤベーな、なんて思ってたりもしたんだけど。


"遥輝さんらしく"


そう、歴代の8番が凄かったからってそれに倣う必要は無いんだ。俺らしい野球を続けるだけ。


Aちゃんの言葉はすごい。
応援でも、叱咤でも、激励でも、なんでもスッと心に入ってくる。そしてそれが力になる。




来季は、今季の俺を超える。




今年も交流戦、広島戦がある。
きっとAちゃんに会えるはず。

その時に堂々と会えるように。


『待ってて。』


なーんて、本人に言えるわけもなく。
なんとなく1人照れ笑いをして、スマホをしまおうとしたその時、メールの受信を知らせる音が鳴る。

今みんなLINEでやりとりしてるから、メールで連絡してくるのはほとんどAちゃんだけだ。



｢From:Aちゃん
subject:そういえば！

今年ドラフト1位指名の有原航平さん、私の知り合いなんです！
もしかしてもう会ったりされたのでしょうか？
投手なので遥輝さんのレギュラーを脅かす存在にはならないかもしれませんが(笑)
新戦力も入って、ファイターズはますます進化しますね！
来季は広島戦以外にも応援行けたらいいなあ…｣


知り合い？ドラ1ルーキーが？？
あぁ、そういえば広島出身だっけ。


なんだかAちゃんの周りの野球人はすごい奴ばっかだなあ。

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