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「From:Aちゃん
subject:無題

人に見つかるのあんまり良くないですかね?
ホテルの裏手に小さなカフェがあるんですけど、そこにしましょう!」


という、Aちゃんの気が利きすぎる素晴らしい提案でカフェで会うことになった。

シャワーは球場で浴びたから、風呂はいい。
髪の毛を軽くセットして、部屋着から私服に着替える。

なんかわけわかんないくらいに胸がドキドキしてる。


あ、そっか。


2人きりは、初めてだ。



21時ぴったりにホテル裏のカフェに入った。

そのカフェは静かな佇まいで、なんというか、知る人ぞ知る店というか。23時まで営業らしいが、夜はそんなに混まないのか、この時間人はまばらだ。


「おひとり様ですか?」

「や、待ち合わせなんすけど…」

「再奥のお席のお客様ですね。どうぞ。」


店員に案内されて店の最奥の席へ。
そこには既にAちゃんがいて。


「ごめんな、待ったんちゃう?」

「いえ、そんなことないです!試合お疲れ様です。」


俺はアイスコーヒー、Aちゃんはアイスティーを注文した。
飲み物が届いてから俺はカバンから目的のものを取り出す。


「はい、約束の。」

「わ、本当にいいんですか?」

「もうサインもメッセージも書いてもうたもん。Aちゃんにあげるためだけのホームランボールやで?」


ボールをくるくる回しながら見つめるAちゃんは目がキラキラしてて子供みたいだ。
ボールに書かれた「Aちゃんのおかげやで!」というメッセージを読んだのか、一瞬照れたような表情も見せてくれた。


「遥輝さん、有言実行しすぎですよ。
ホームランも盗塁も。約束ぜーんぶ守ってくれちゃうんだもんなあ。」

「…Aちゃんのおかげやで?
去年出会って、Aちゃんに足速いって褒めてもらった時から『もっといいとこ見せたろ』って思って頑張ってるんやから。」

「ファンの期待に応えるなんて、さすがプロですね。」

「Aちゃんは特別やから…」

「え…?」


やばい、やばいぞ。
なんてこと言うてんの俺。

告白はまだ早いって!!
翔さん超えてへんもん!!

いくら今日ホームラン打ったからってちょっと気が大きくなりすぎ!!


「…Aちゃんに美味いお菓子作ってもらってる分、俺はプレーで返すしかできひんから。」

「遥輝さん…ありがとうございます。
私も、遥輝さん特別です。こんなにお菓子褒めてもらって凄く嬉しい…!」



本音を言うと、ちょっと告白しちゃいたかった。

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ラッキー食べ物

すし


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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時

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