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パイをリビングに持っていくと大歓声。

Aちゃんの職場の余り物ケーキも出てきて、甘いもの好きの翔平の目が輝いてる。

食べていいのか、と問う一同ににっこり笑顔で頷くAちゃん。
そのあとみんなの美味しいっていう言葉に、今度はちょっと照れた様に笑った。


「去年もすっごく美味しいマドレーヌ食べたっていうのに、翔平ってばAちゃんのこと覚えてなかったんだよー」

「ちょっと拳士さん!余計なこと言わなくていいんです!今回でちゃんと覚えましたし!!」

「ひどい男だよなー」

「ちょっと卓さんまで!」


笑いの絶えない楽しい時間も、もうすぐ終わりだ。


「いやぁ、お母さんもAちゃんも、ご馳走様でしたー。」

「いーのいーの、試合頑張ってね!」

「また来てください。みなさんの活躍を期待してます。」


あーあ、また、会えるのは、1年後。


「Aちゃん、」

「遥輝さん、なんですか?」

「…俺のことずっと見ててな。俺、Aちゃんが応援してくれたら、どこまでも行ける気がする。」


あー、また遥輝がAちゃん口説いてるー、なんて今年も拳士さんが騒いでる。
ほんまやー、なんて慎吾も騒いでる。
そんなふたりを翔さんと卓さんが押さえつけてくれてる。


「応援してます。ずっと。
遥輝さんは、いつも私に勇気をくれます。いつだって、有言実行してくれて、カッコよくて。
私も頑張ろうって思えるから…。
見るなって言われても、きっと無意識で見ちゃいます。」


照れた様に笑って、恥ずかしいのか目線は下を向いていて俺と合わない。

ていうか、

『とある人に勇気をもらってるからね、私も頑張るって決めたの。』

とある人って、俺のことかよ。

なんだよもう、ずるい。
可愛すぎるし、俺の勝利の女神だし。


「キャッチボールの約束も、ホームランボールの約束も忘れませんからね。絶対ですよ!」

「おう、待っとって。約束は絶対守る。
有言実行の男やからな(笑)」


ほな、と手を振り、俺はみんなの輪に戻る。

みんなニヤニヤしてるし、翔さんは「告白したんか?」なんて、聞いてくるし。
まだっすよ、と答えたら「えーなんで!?」って拳士さん騒ぐし。

いや、まだだろ。

もっともっと、Aちゃんの理想に近付いた、と自信を持てるようになってから。

『中田翔より野球の上手い人』

壁はまだ高いけど、やってやろうって思える。

Aちゃんが俺のプレーを見て笑ってくれるなら、どんな事でも成し遂げられそうだ。

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ラッキー食べ物

すし


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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時

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