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｢今年も交流戦見に来れるん？｣
唐突に聞いてしまったけど、これは明後日からの交流戦で俺が活躍できるかどうかの大事なことだ。
でも、Aちゃんの表情は明るいとは言えず。
｢…ごめんなさい、仕事なんです。
チケットは翔に貰ってるんですけど…｣
｢そっか、見に来てくれたら俺頑張ろうと思ったのに。｣
｢私が見に行かなくても頑張ってくださいよ(笑)｣
どうやら今年は来れなさそうだ、とのこと。
まぁ彼女も社会人だし、仕方の無いことだ。俺もそこで駄々をこねるような子供ではない。
でもせっかく広島だし、見に来てほしいという気持ちは大いにあったので、少なからずショックはショックだ。
｢どうしたら遥輝さん頑張ってくれますか？
私に出来ることはありますか？｣
Aちゃんが、俺の目を見て問う。
まっすぐで、キラキラで。
あぁ、待って。去年はまだ人見知りのせいか、こんなにまっすぐ目を見てくれることなかったから。
なんか恥ずかしくなって、視線をそらした。
視界の端に、不思議そうな顔で首を傾げるAちゃんが見えた。
あぁ、もう。なんでこんなにかわいいかな。
｢…パウンドケーキ｣
｢え？｣
｢誕生日の時に作ってくれたパウンドケーキ。あれ食べればホームラン打てる気がする。｣
誕生日の時も活躍できたし、仕方なく食べさせた翔平も大活躍した、通称魔法のパウンドケーキ。
｢気に入ってくれたんですか？｣
｢めっちゃ美味かった。しかもあれ食ったらめっちゃ打てるんやもん。
だからまた、俺のためだけに焼いてくれん？｣
"俺のためだけに"
無意識に出てきた言葉に自分でも驚く。こんな独占欲強いタイプだっけ、俺。
｢…遥輝さんがホームラン打てますように、って願いながら作りますね。｣
｢ホームラン打ったら、ホームランボールはAちゃんにあげる。サイン付きで。｣
｢ほんとですか？楽しみだなあ。｣
そこで丁度オーブンがチンッと音を鳴らした。
パイが焼けたらしい。
ミトンをはめてオーブンからパイを取り出すAちゃん。
焼き上がったパイを見る目は真剣で、それでいて優しい眼差しだった。
｢…遥輝さん、桃の花言葉って知ってます？｣
視線はパイに向けたまま俺に問う。
｢そんなん、俺が知ってると思う？｣
｢ですよね(笑)
桃の花言葉の中の一つに"天下無敵"っていうのがあって。皆に頑張って欲しくて今回は桃を使ったお菓子にしました！｣
えへへと笑う姿はやっぱり最高に可愛いと思った。
ラッキー食べ物
すし
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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました！面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…！ (2017年2月20日 21時) (
レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます！！すっごく面白かったです！！！ (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます！有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫椏 | 作成日時：2016年11月27日 10時
