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「怪我した翔の代わりに一軍昇格したのが2年目の、私と同い年の人だったんで覚えてます。」

「せやせや!同い年やし、仲良うしてや〜!」


にっこにこの慎吾。
まぁ慎吾は誰にでもニコニコだけど。
Aちゃんは、ちょっと緊張してるっぽいけど、慎吾のこの雰囲気に掴まれたらきっとすぐ打ち解ける気がする。


俺だけを見てほしいのに。


「あの、初打席の…自打球の、鼻血は…」

「ぎゃー!そういうかっこ悪いのはええねん!!忘れて!」


家の中は笑いに包まれる。
俺も表面上は笑ってたけど、内心気が気じゃない。

慎吾にAちゃんとられてまうって。

取られるも何も俺のもんでもないけど。



そうこうしてるうちに用意してもらった大量のおかずはかなり減り。
それに気づいたAちゃんがお皿を下げる。

Aちゃんが席を外した隙に、俺は慎吾を睨みつけた。


「慎吾、お前…どういうつもりやねん」

「遥輝さん顔怖いって!笑
別になんも思ってないっすよ!野球好きな女子って周りにおらんかったんで、友達になりたいだけっす!」


ウソかホントか見極めようと、じっと慎吾の目を見つめてみた。

嘘はついてなさそうな、いつもと同じ顔付きだ。


「…はぁ。俺余裕無さすぎ…かっこわる…」

「恋する男なんてみんなそんなもんだろ〜
遥輝お前イケメンなんだからもっとグイグイいけよぉ〜」

「あーもう拳士さん、うるさー(笑)」

「なんで!?」


いつも通りの拳士さんの扱いに、みんなが笑う。
俺も笑った。ほんと、余裕なさすぎかって。


「ん…?なんか、甘い匂いがする…」


翔平が、鼻をスンスンさせて辺りの匂いをかぐ。釣られて匂いに集中すると、甘い香りが俺にもわかった。


「Aやろ。遥輝お前台所行ってみ?」


大将に言われるがまま台所に顔をのぞかせる。


そしたらエプロンつけて、髪の毛をまとめたAちゃんがそこにいて。

本当はすぐにでも声かけたかったんだけど、見とれてタイミング失って、台所の入口でただ立ち尽くしてしまった。

そんな俺に気付いたAちゃんは「どうしたんですか?」なんて、ニコニコ笑顔で寄ってきた。


「甘い匂いがしたから…」

「気になっちゃいました?これですよ、」


Aちゃんが、オーブンを指さす。
窓から中を覗きこんでみると、そこには


「アップルパイ?」

「惜しい〜
正解はピーチカスタードパイです!」


えへへ、って。

してやったり顔で笑うAちゃんもかわいいな。とか、思った。

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ラッキー食べ物

すし


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紫椏(プロフ) - せーらさん» お読みいただきありがとうございました!面白かったと言ってもらえて本当に嬉しいです。データが飛んでも書き続けてよかった…! (2017年2月20日 21時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
せーら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく面白かったです!!! (2017年2月20日 9時) (レス) id: 8c3fdebe22 (このIDを非表示/違反報告)
紫椏(プロフ) - えりさん» コメありがとうございます!有原くんがこんなにかっこよくなるとは作者も思いませんでした(笑) (2017年2月16日 16時) (レス) id: b888682380 (このIDを非表示/違反報告)
えり - 主役遥輝なんだけど有原さんかっこいいです(*^^*)初コメ失礼しました。 (2017年2月16日 16時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫椏 | 作成日時:2016年11月27日 10時

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