2 ページ2
翌朝、しめとAが並んで登校してくる。
「「美勇人おはよー」」
ハモったような声で俺を起こす。
「ん……おはよ、」
実際は起きてたけど。
だるいから伏せてただけだけど。
「じゃあ、Aが先に終わったら、メールして」
朝から放課後デートの約束かよ、
ほんとしめの熱量には、素直に感心する。
周りの連中も、冷やかす隙がない。
いかにもカーストが上って感じの、美意識の高い熱々カップルに見入ってるって感じだし。
注目浴びて、いっそう機嫌が良くなってんのか、しめの声も見せ付けるようにデカくなってく。
Aの腰に巻かれたその腕は、自分の彼女のスタイルの良さをひけらかすかのようだった。
…なんて、考え過ぎか。
「…今日どっか行くの？」
しめが自分の教室に帰った頃、暇だった俺は立ち上がり、
Aに後ろから声を掛けた。
「ん？」
ぐるっと振り向かれた瞬間、
「あ……」
「……ん？」
「や、なんでもない」
ただ一瞬、
…相変わらずちっちゃいなぁ。
そう思っただけ。
しめもちっちゃいけど、しめよりちっちゃい。
この角度で見上げられるのは正直懐かしい。
「で、龍也とどこ行くかだっけ？」
「そー」
「買い物」
「へー」
案外普通。
「ピアス、お揃いにしよって」
そういうAの耳元を見る。
「…これは？」
「これはイヤリング。ピアスっぽいけど。
…美勇人、どんなのつけてんの？」
Aが俺の耳に手を伸ばす。
だけど、背が違い過ぎて背伸びしなきゃ届かなくて、
「わ、」
一瞬ぐらついたA。
「…ごめ、」
俺の胸にトン、と寄りかかった。
「…いや、平気」
なんの気なしに、身体を戻すAだけど。
久々に近付いたその顔を見ると、やっぱり整ってんなって。
「屈んでやろうか(笑)？」
「…いや、もう大丈夫だから(笑)」
なんとなく、こういうやり取り、しめとはしてないんだろうなって思ったら、
無意識に俺の口元は微笑んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 595人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花山明(プロフ) - ラブコンシリーズはじめ、ODGさん大ファンです！毎週少なくとも3.4回は作品を読み返させていただいています！！いつもありがとうございます！ (2018年10月14日 23時) (
レス) id: d2ca6235a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - ラブコンシリーズの大ファンです。更新とっても嬉しいです、ありがとうございます。 (2017年12月14日 19時) (レス) id: 0f8c6b3b2a (このIDを非表示/違反報告)
ふうこ(プロフ) - やっぱり高校生編が初々しくて一番好きです！ピアスってこういう見方だとエロいですね(笑)色んな初めてを描くんでしょうか。楽しみです(*^▽^*) (2017年11月13日 3時) (レス) id: c7d5b947cf (このIDを非表示/違反報告)
しめらん(プロフ) - ラブコン大好きなので新作嬉しすぎです！！！ありがとうございます^ ^ (2017年11月12日 17時) (レス) id: 98e2dbdcfb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年11月12日 9時
