桜の木の下、これは恋。 (ページ5)

今日:31 hit、昨日:4 hit、合計:24,948 hit

5 ページ5

.

You

『 ……え！？』

『…もう、行っちゃったし、笑』

いきなり言われたことに驚いていればあっという間に見えなくなって

なんか置いてけぼり食らったみたい

…というか、さすがに日向ぼっこは嘘下手すぎたな、笑

でも、綺麗な顔立ちの男の子だった

肌も綺麗で金髪がすごくキラキラしてて少し着崩した制服もちゃんと似合ってた

あの子が、主人公になったら楽しい物語になりそうだなあなんて

どこまでも小説でつくられた頭なんだなと思いながら保健室に戻ることにした

『失礼しまーす。』

「あれ、早かったじゃない？」

『なんか面白い1年生の子がいて、またお話しましょうー！って言ってた。』

「えー、なにやっとAちゃんにも恋の予感？！」

『違いますー！』

私が恋愛だなんてそんなの一生出来ないだろうな

好きって気持ちよく分からないもん

時計を見ればお昼休みまであと30分しかなくて

さっき寝ちゃった分を書くために保健室のソファを借りてパソコンを打ち始めた

キーンコーンカーンコーン____

四限が終わるチャイムが鳴って、廊下も騒がしくなる

「失礼ーしまーす！」

『詩乃ちゃん！ごめんね、教室戻れなくて。』

詩乃「大丈夫だよ。Aが忙しいの分かってるもん。」

このかわいい子は私の幼なじみ

唯一私のお仕事のことも知ってて、いろいろお手伝いしてくれてる

今だって鞄を持ってきてお弁当を広げてくれてる

……私にはもったいないくらい素敵な子

.