桜の木の下、これは恋。 (ページ36)

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「狭くないですか。」

『う、ん』

狭いベッドの中でなんとなく向かい合って寝てる2人

さっきから緊張で鳴り止まない心臓どうにかしてくれ

さっき先輩にはお風呂に入ってもらったから同じ匂いなのもやばい

とにかくやばい

『なんか、はずかしいね…笑』

「 …もー、言わないでください。」

『 …わ、』

布団の中で上目遣いで見てくるA先輩に耐えられなくて背中を引き寄せた

思いのほか先輩が細くて少し驚いた

「 ……A先輩、俺は先輩が好きです。ほんとに、初めて会った時から。」

「 …俺、先輩の生きる理由になりたい。」

背中に回した腕に力が入って震えそうになる

でも、今伝えなきゃもう伝えられない気がするから

伝われ。

『 …わたし、人を好きになるとか分からなくて。』

『でも、光輝くんが居てくれなきゃ嫌だなって思ってる。』

「うん、」

『人を好きになる気持ち、光輝くんが教えて欲しい。』

そう言って先輩は俺の背中に腕をまわしてくれた

スウェットを掴んだ小さな手は心做しか震えていた

「まかせてください。」

「そのかわり、俺以外は見ないでね。」

人を好きになるってどんな気持ちか、頑張って教えるから

お願い、俺だけを見てて。

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