桜の木の下、これは恋。 (ページ33)

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お父さんが亡くなってから１ヶ月がたってお母さんの状態は酷くなる一方だった

お酒や薬に頼らなければ寝ることも出来ない

そんなお母さんをできる限り支えていたつもりだった

そんなある日

いつも通りの朝を迎えてリビングへ行けばおばあちゃんが来ていて

「 …Aちゃん、これからは2人で生きていこうね。」

『 ……え、？』

「お母さん、夜に…道路に飛び出して、車に轢かれたの。」

聞けば深夜にお酒を何本も飲み、睡眠薬を服用したまま飛び出したみたいで幻覚を見ていたんじゃないかって

また、私は大切な人を失った

何日も何日も泣いて、真っ赤に泣き腫らした目でおばあちゃんの所へ行けば優しく背中をさすってくれて

もう、私にはおばあちゃんしかいなかった

「これ、Aちゃんが書いたのかい？」

『 …それ！もう、恥ずかしいよ笑』

「いいお話じゃない。おばあちゃんは好きだよ。」

お父さんの書斎で読んだ本から影響を受けて自分なりに文章を書くことが増えた

褒めて貰えたのが嬉しくてそれからは新しく書いてはおばあちゃんに読んでもらった

ピンポーン

いつもみたいに書斎に篭って本を読んでいた日

いつもは鳴らないチャイムがなって、様子を見ればおばあちゃんが何やら笑顔で話している

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