この薄汚れた世界の中で

#4 作戦会議 ページ12

｢さて､全員集まった?｣
私達は今ボスの部屋に居る

集められたのは､櫻井さん､神谷さんとDABAメンバー…だけど､リーダーの小野さんだけ居ない

神谷｢ったく小野くんさっき分かったって
言ったのになぁ〜､分かってないじゃん｣
神谷さんがボヤく



日野｢慎ちゃん慎ちゃん｡｣
立花｢ん､どうした?｣
日野｢小野が招集遅れるって珍しくない?
待ち合わせじゃないんだよ､招集でだよ?｣
隣で日野さんと立花さんがコソコソ話している


確かに､私もそう思っていた｡今まで一度も招集無遅刻の小野さんが､よりによって神谷さんの招集で遅れるものだろうか

…やっぱり何かあったのかな



神谷｢菅沼くん､ちょっと小野くんの
GPS検索してくれない?｣
菅沼｢分かりました｡調べてみます｡｣
神谷さんに指示され､菅沼は即座に
パソコンで検索を始める

菅沼｢……あれ?おかしいな…神谷さん｡｣
神谷｢なに?｣
菅沼｢小野くんなんですけど…見つかりません｡
電源切られてるみたいです｡｣



その瞬間､僅かに部屋内の空気が凍った
いや､殆どの人は変わってないのかな
神谷さん､櫻井さん､潤さん達の顔が微かに強ばった


櫻井さんは何か考え込んでるし､
潤さんは下向いちゃったし｡神谷さんは
｢やっぱりか｡｣と呟いている


小野さんについて何か知ってるんですか?
それって私達が知らない事ですか?
思わず､聞いてしまいそうになった｡


DABAの彼らには話せなくて､
貴方達には話せる事?



日野｢…慎ちゃん､顔｡殺気出てるから｡｣
日野さんが立花さんに注意する
立花さんの顔はかなり歪んでいて､きっと考えていた事は私と同じ

立花｢ごめん…｡｣
日野｢うん､確かに慎ちゃんの気持ちも分かる｡
でも俺らだって話してない事はあるよね｡
他の人もきっとそう｡だから俺らも､小野の口から話してくれるのを待とう?｣

こういう時､日野さんはいつも人を優先する｡
自分の事も心配しなきゃ､って思いますよ




でもそうやって人の事を考えられる人達だからこそ､彼らの事が大好きなんです









だから､彼らを傷つけようとする奴は1人も逃しません





…たとえ､それが誰であろうと

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