この薄汚れた世界の中で

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遊佐｢おい､A｡そろそろ起きてー｣
ペチペチ､と頬を叩かれる衝撃で目を覚ました
『……もう?』
遊佐｢出発まであと1時間だって｡痕もいい感じに消えたから､着替えて来な?｣
『ん………わかった､けど､ねむい』
遊佐｢それは副作用｡しばらくしたら治まるから､それまで頑張って?｣


半目になっている私に苦笑しながら､安元さんが鏡を差し出す


安元｢潤の熱烈アピールは消えなかったね｣
『うっわ､ほんとだ…私､あの会場で悪目立ちしたくないよお兄ちゃーんｗ(ﾛﾘﾎﾞ)』
安元｢犯罪臭が凄いｗｗｗ｣
『冗談じゃなきゃ言えないよこんなの』
どれだけ強く吸ったんだ､あいつ｡

『とりあえず､遊佐さんと安元さんありがとう｡行ってきます』


遊佐｢応急処置だから､今夜の仕事が落ち着いたらまた来なさいね｡あと､副作用で他の薬も効きやすくなってるからヘマはしないように｡
普段効かない薬でも1発で落ちるから｣

『気をつけまーす』



そういえば､寝る前に聴こえたあの声は誰だったんだろう｡
部屋に向かいながらぼんやり考える



……いっけね､早く打ち合わせ行かなきゃ

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医務室


安元｢遊佐さん｣

遊佐｢ん?なにー?｣

安元｢解毒薬って無いんですか｣

遊佐｢あるよ｡ALICEって薬品だから､解毒というよりか中和に近いけど｣

安元｢あるなら､何であいつに投与しないんです?そうすれば､あんな苦しむ事…｣

遊佐｢それが出来れば苦労してない｡
中和すれば､あれだけの身体能力も元に戻ってしまう｡戻ったらあの子は､｣

安元｢この世界から去るしかない､と｣

遊佐｢そう｡それにあの子､恨みも結構買ってんだよね｡かの有名なMr.サイコパスの傍に居たからかなぁ?ｗ……殺し方全てにおいて残虐過ぎ｡拷問も同様｡｣

安元｢櫻井もAも確かにえげつない｣

遊佐｢それに､"あいつら"がまた動き出したって噂もあるし｡後先考えずに消すのが救済とは言いきれないんだよね｡
今回ばかりは嫌な予感するから早く準備しとく事にする｡手伝ってくれる?｣

安元｢奇遇ですね､俺もそんな気がしてました｡ベッドも空けときましょ｣


Aが居なくなった部屋で､大の大人2人が心配していたとかいなかったとか｡

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