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北 「特別に見えて実は特別なんかじゃなかった」
色んな責任から逃れた時嬉しいって思った。
やっと解放されるんだって気持ちがラクになった。
でもそんなの最初だけだったんだよ。
本当は困るよって言われるの心のどっかで求めてた。
なのに実際はそんな事なかった。
俺がいなくても会社も仕事も回った。
数日誰からも連絡なかった時虚しくなったよ。
北 「俺の変わりになんて沢山いるんだなって」
俺なんか居なくても余裕なんだって思ったら、
じゃあなんで俺は必死に頑張ってきたんだろうって、
すげぇ今までの努力とか「無」になった。
もぉ自由にしていいですよって突然言われてもさ、
今まで目の前の事でいっぱいいっぱいだったんだ。
急に広い土地にポンッて投げ出されても、
何を目印に歩いたらいいか分かんないし、
一緒に歩いてくれるやつもいなくて不安だった。
北 「きっとエーじゃなくてビーだったら今頃・・・って、」
藤 「宏光」
北 「ん?」
藤 「来て」
北 「え?えっ!?ちょっ!?」
彼の話を聞いてて、
なんだかいてもたってもいられなくなった。
俺は彼の手首を掴んでグイグイと人混みを掻き分けた。
エーとかビーとかそんなのどうでもいい。
だって宏光は宏光じゃないか。
宏光は1人じゃない、寂しくて可哀相なんかじゃない。
なんでそんな悲しい事ばっか言うんだよ。
進みながらそんな事で頭はいっぱいで、
人気のない公園の端の茂みの方へと連れていき、
しゃがませ、その目の前に自分のラムネの瓶を置いた。
藤 「うし、ここならいいかな」
北 「たいすけ?」
藤 「ちょっと待ってて」
辺りを見渡して手頃な大きめの石を見付け、
それを手に取って一緒になって自分もしゃがんだ。
北 「何すんの?」
藤 「・・・」
北 「え・・・、まさか・・・、ちょっ!!」
『『ガシャッッ・・・』』
俺は手に取った石を大きく振り上げ、
真下の瓶に向けておもいっきり振り下ろした。
藤 「いっっってぇ・・・」
北 「なんで急に・・・」
藤 「だってこうすれば、・・・・・・はい、救出(笑)」
ドン引きする彼を他所に、
割れた瓶の中からソレを取り出し彼に差し出した。
彼は気が抜けたように苦笑いをすると、
ソレを手に取り「馬鹿だなぁ」と苦笑いを笑顔にかえた。
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朱蝶(プロフ) - いゆらんさん» いゆらんサン♪こんばんは(*^^*)太輔さんも沢山後悔してきましたからね、やっとのやっとしてあげたかった事が出来てる感じです(*^^*)続きも楽しんで頂けるように頑張りますo(`^´*) (2017年9月13日 18時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
いゆらん(プロフ) - こんばんは♪太輔さんの優しさが本当に染みてくるというか何とも言えない暖かい感情になります。泣いた顔を隠すのにお面なんて、本当に素敵です。そして、泣くのはみっくんの担当だから太輔さんは笑わせるよなんて胸熱です。この素敵な続きを楽しみにお待ちしております (2017年9月11日 17時) (レス) id: 3188bfb525 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - ゆーさん» ゆーサン♪進みの悪さをゆっくり埋めてってるなんて、そんな風に言って頂けるなんて嬉しくて泣けます!有難うございます( ;∀;)続きも楽しんで頂けるように頑張ります! (2017年9月9日 19時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - MISAさん» MISA様♪キュンッてしちゃいました?(笑)こんな優男他にいませんよ!(笑)はい!私の太輔さんはやっぱりMISA様しかおりません( ●≧艸≦)vvv 移行出来るように頑張ります!(笑) (2017年9月9日 19時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - こんばんは!更新ゆっくり待ってますよー!というより、やっと会えた2人が離れてた時間をゆっくり埋めていってるって感じでなんだかほっこりしてます。笑 (2017年9月8日 21時) (レス) id: b2d11b2e22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2017年6月5日 19時