ビー玉は知っている。< 2 >

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一昨日の夜は本当に楽しかったよ。
始めはさ、太輔の同僚達だって聞いて焦ったんだ。
もしかしたら俺の事覚えてる人いるかもって。



だからちょっと中に入るのビビった。笑



でも部署が違うってのもあったし、
誰も俺を知らないって分かってからは普通に楽しんだ。
あんな風に楽しく飲んだの久々だったよ。

あ、そうだ！俺1回口滑らせちゃったんだけど、
あの時は焦ったなぁ〜笑
どこだか分かる？飲み会に誘われた時だよ。

俺が｢喘息になる前は飲んでた｣的な事言っちゃって、
そしたら太輔シレッと｢生まれつきじゃないの？｣って！笑

あの時は本当に焦ったよ！笑
喘息になった時の記憶あるんかい！って、
自分で言って記憶喪失の設定ーー！！って焦った！笑

だから必死に誤魔化した。笑
あの時が本当に1番焦ったかな。笑

でもそんな風に色々太輔を誤魔化した。
それに色々と無理矢理押しきった所もあるし、
太輔がじいちゃん似で本当に良かったよ。笑

途中からは押しきったらいけるって正直思ったし、
きっとミツもそうだったんだろうね。笑
じいちゃんならいけるって思ってたんだよ。笑



でも俺ね、そんな風に人に甘えたの久々なんだ。



先生に｢もっと人に甘えていいんだよ｣って、
｢我儘言っていいんだよ｣って言われてたんだけど、
そうしたいって思える人は浮かばなかったんだよね。

親にはもぉ現状迷惑かけてるしこれ以上はって思ったし、
だからって友達とかもなんかさ･･･。

仕事のせいで頻繁に会ってる奴とかいなかったし、
何より入院中に見舞いに来た親や同僚に、
あと事情をどこからか聞いた入院中患者とかに、
｢大変だったね｣｢可哀想に｣｢もぉ大丈夫だよ｣なんて、
そんな事ばっか言われてすっごい嫌だったんだよね。

みんながみんなあれやこれやと気使ってきてさ、
俺思ったよ、｢可哀相｣は｢心配｣じゃないって。
ただ哀れみられてるだけだって。

そんな事ないかもしれないのに、
みんな｢自分よりマシだ｣って思いたいだけだって、
病院って･･･そんな事を思わせるような場所だった。



俺はどんどん惨めな気分になった･･･。



髪を染めたのはだからってのもあった。
可哀相だと言われる自分を捨てたかった。
そしてもぉ何にも縛られたくなかった。

誰かに甘える事も我儘言う事も迷惑になると思ったし、
それこそ同情で願いを聞き入れられても･･･、
って思ったから自分で出来る事を選んだ。


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