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<北side>
北 「でさ・・・」
藤 「うん」
口から出るのは些細な内容ばかりで、
でもその些細な事は次から次へと出た。
そんな事でもなかった事が次から次へと。
時には少し大袈裟に話した。
太輔はそれを1つ1つ相槌を打ちながら、
時には同意してくれたり、意見を言ったり、
俺の気にしすぎじゃないかって首を傾げた。
俺は溢れる文句を吐き出し、気が晴れるとこもあれば、
なんでこんなに心が狭いんだろうって、
こんな事コイツに聞かしていいんだろうかって、
かなり複雑な気持ちではいた。
北 「・・・まぁ、こんなとこ・・・」
藤 「そっか・・・。よく我慢したね」
北 「は?」
藤 「今吐き出した分だけミツは我慢してきたんだろ?」
北 「・・・」
藤 「そんで自分に嘘をついてきたんだろ?大丈夫だって、別に平気だって」
あぁ・・・、なんでコイツってこうなんだろ・・・。
北 「俺・・・、お前が言うほど頑張り屋じゃないよ?」
藤 「へ?」
北 「別に特別良いヤツでもないし」
藤 「そう?」
北 「そうだよ」
太輔は優しい。それは良いことだ。
その優しさに救われる事だって沢山ある。
でもたまに苦しくなる。
太輔が俺を美化すればするだけ苦しくなる。
俺はそんな綺麗でも凄くもないって・・・。
藤 「俺、別にミツの良いことばっか見てないよ?」
北 「え・・・?」
藤 「ミツが面倒臭い奴だって事も知ってるよ?」
北 「め、めんどくさい・・・?」
あ、やば。今顔がヒクッてなった。
藤 「うん。ミツかなり面倒臭いよ」
北 「な・・・」
藤 「現に今は面倒臭い事になってるし」
北 「お、お、お前だってかなり面倒臭いかんなっ!?」
売り言葉に買い言葉。
つい言い返してしまった。
藤 「だろうね(笑)」
北 「え・・・」
藤 「でもミツが頑張ってるのも知ってる」
北 「・・・」
藤 「無理してる時があるのも知ってる」
北 「・・・」
藤 「ちゃんと良いとこも悪いとこも見てるよ」
その上で傍にいるんだけど?
って笑った。
この空気に似合わないぐらいヘラッと。
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朱蝶(プロフ) - いゆらんさん» いゆらんサン♪こんばんは(*^^*)最後までお付き合い頂き有難うございました(*^^*)楽しんで頂けたなら良かったです!また朱蝶ワールドにお連れ出来るように頑張ります(*^^*) (2017年10月2日 18時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
いゆらん(プロフ) - また、このような2人を読みたいです。朱蝶様の罠?沼にハマってしまうお話をお待ちしておりますm(_ _)m (2017年10月2日 15時) (レス) id: 3188bfb525 (このIDを非表示/違反報告)
いゆらん(プロフ) - こんにちは♪完結おめでとうございますm(_ _)m朱蝶様の言う通りのハラハラドキドキをとても味わいうふうふさせられていました。今回の短編の藤北私は好きです。意地悪?イタズラ?上手く言えませんがそんな太輔さん、グルグルするみっくん好きです。 (2017年10月2日 15時) (レス) id: 3188bfb525 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - kkeeさん» kkeeサン♪最後までお付き合い頂き有難うございました(*^^*)私の狙った温度感を感じて頂けたなら良かったし、何より楽しんで頂けたなら安心です!!こちらこそ有難うございますです(*´▽`*) (2017年9月27日 17時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - MISAさん» MISA様♪んふふ、MISA様にそんな風に言って頂けて良かったです(*^^*)私もなんかやたら小難しかったり、殺風景な感じが私らしくないと思ってたんですが、でも2人の本質的なものは私のままな気がして、MISA様にそこを気付いて貰えて嬉しいです!流石MISA様です(*´艸`) (2017年9月27日 17時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2017年1月27日 18時