君と僕の温度感。

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＜藤side>







馬鹿騒ぎしてる時は勿論、食べ物の話してる時や、

仕事中のスタッフとの打合せや台本とのにらめっこ、

そんな真面目な顔してる時だってどっか楽しそうで、

俺はそんな北山を可愛いともカッコいいとも思って、

知らず知らずに目で追い始めてた時には好きになってた。







だからかな。

北山とのあと1歩の距離の縮め方が分からない。









『ｷｭｯ･･････ｶﾞﾗｯ』









そんなのもっと簡単だと思ってた。

あの人懐っこくて寂しがり屋の北山の事だ、

付き合ったらあっという間に距離は縮まると思ってた。









藤 ｢･･･ﾌｯ、全然だ･･･｣









それでも距離を縮めようと俺なりに努力したが、

今じゃもぉどうしたら良いのか分からない。

日に日に嫌な所ばかり目についてイライラしている始末。









だけど、嫌いかと聞かれたら好きなんだ。









今日だって来ないかって誘ったのは俺。

こんな風に苛ついたり気持ちが重くなると分かってても、

それでもやっぱ好きだから･･･傍にいたくて･･･。









『ｶﾞﾁｬ･･･』


藤 ｢･･･｣


北 ｢ｽｰ･･･ｽｰ･･･｣


藤 ｢寝てんのかよ･･･｣









でも間違ってたのかもしれない･･･。

俺らは1歩離れてる方が丁度良いのかもしれない･･･。









藤 ｢･･･｣


北 ｢ﾝ･･･あれ･･･風呂･･･｣


藤 ｢出た｣









柔らかい頬に触れると目を覚まし、

寝惚けているのか不思議そうに俺を見て、

そして｢寝ちったのか｣って、

｢わりぃ｣ってふにゃりと笑って俺の指を撫でた。









ドキッ･･････って胸が高鳴った。









北山はいつもそうだ。

別に本当に俺の事なんか好きじゃないくせに、

たまにこんな風に普段見せない顔を俺に見せる。

俺はその度･･･、もう少し、もう少しって･･･









藤 ｢好きだよ｣









この関係を続けてもいいかもしれないって、

未来に期待なんかしてしまう。









北 ｢･･･なに急に？どした？(笑)｣









だけどその気持ちに歯止めをかけるのも北山。

別に照れてるような素振りでもないから、

本当に｢なに？｣って思ってるんだろうな･･･。









藤 ｢･･･嘘、本当はキライ｣


北 ｢え｣


藤 ｢もぉ北山の事好きじゃなくなった｣


北 ｢･･･｣


藤 ｢だから別れて｣









やっと言えた･･･、やっと終わる･･･。

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