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『え…え、えっ、ええええええええっ!?!?』
君の腕は…俺の体温より熱かった…。
その手に残った体温を俺は立ちつくしたままただ見つめた。
北 「いや、なんか、立ちくらみとかで、」
君の慌てた声に顔を上げると、
あのトラブルに強い北山がテンパってて、しかも…
北 「はい、はい、そぉ、なんか具合悪かったみたいで、」
藤 「…」
北 「で、咄嗟に俺を掴んだみたいで、はい、今もちょっと」
俺の…ため…?
に、必死でスタッフに事情説明してて、
なんか…なんか、凄く嬉しかった…。
でも凄く慌てる君とは逆に俺は、
電車の中で通話は駄目だよ…なんて暢気な事も思った。
北 「はい、はい………フゥー…」
藤 「…」
北 「お前なっ!!!」
あ…、怒ってる…。
まぁ…当然なんだけどさ…。
でも…仕方がないじゃん…。
俺は手の中にある切符に視線を落とすと、
大きなため息が聞こえてもう1度顔を上げた。
北 「次で降りるぞ、いいな?」
眉をハの字にして見上げる君に、俺は頷いた。
悪いことしたと思ってる…。
でも、もっと一緒に、2人だけで……いたかった…。
『プシュー…』
次の駅で降りると、君は真っ先に時刻表を見に行った。
そんな慌てなくてもいいじゃん。
早く戻ろうとしなくてもいいじゃん。
そうゆう意味じゃないって分かってるけど、
まるで…嫌われてるみたいで悲しかった…。
北 「うっっわ……マジか…」
藤 「?」
君の隣に並び時刻表を見ると、次は1時間半後。
あ…やったぁ…。
北 「ハァァ…」
って思う俺とは逆に君はまた大きくため息…。
ソレ…嫌いだ…。
君を横目でそんな風に見てると、
君は時刻表を写メり、多分スタッフへ…。
そしてすぐに電話が鳴った。
北 「はい、はい、はい…」
あーあ…戻りたくないなぁ…。
俺は逃避するように電話する君に背を向け、
ボロい柵に手を付き駅の外の風景を見渡した。
さっきよりものどかに感じるのは、君と2人だからかな?
北 「はい、ん〜…」
騒ぐメンバーも、暑苦しいスタッフも居ない。
目に写る人は君だけ…、君も俺だけ…。
ただ君と2人、それだけで視界が広がったようだった。
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朱蝶(プロフ) - みおみおさん» みおみおサン♪お久し振りです!お元気ですか!?(*≧∀≦*)みおみおさんはいつも、お話を愛してくださるので、こちらの方が幸せです!!有難うございます(*´▽`*) (2017年7月4日 22時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
みおみお(プロフ) - 熱を纏うような気持ちで読みふけりました。大好きなおふたりの作品。読めたこと。。。藤ヶ谷さんと北山さんの二人の空気を壊さぬよう、息を潜めるように読んでいた自分に、すこしてれてしまいました。シンクロするように体温まで操られて夢中で読みました。幸せです。 (2017年7月3日 19時) (レス) id: adbbb5262d (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶサン♪有難う御座います(*^^*)んふふ、そんな細かく色々振り回されて頂き、私とMISA様はニヤリ顔に御座います(笑)いつも私のもMISA様のも沢山のお話を読んでくださり有難う御座います(*^^*) (2016年9月24日 19時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - って思わせる言葉にニクイねぇ(笑)って♪嫌いだとどうされるんだっけ‥ってトコはうーっっ(萌)って♪夢???現実?ってラストまでドキドキしっぱなしでした♪おふたりの素敵な世界の余韻に浸っております♪ (2016年9月24日 18時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 朱蝶サン♪遅ればせながら‥完結おめでとうございます♪電車でみっくんの腕を引っ張った太ちゃんの気持ちにキュン‥って胸が疼きました‥そこから過ごした二人だけの時間はジリジリした夏の蜃気楼に包まれた世界みたいで神秘的‥。みっくんの可愛さやどっちなのぉ? (2016年9月24日 18時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶・MISA | 作成日時:2016年9月8日 20時