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藤 「ハァ、ハァ、ハァ」
北 「あーあ、乗っちゃった」
乱れた息を整えながら、
その声に君を見ると君はニコニコと笑っていた…。
北 「大丈夫?」
藤 「いや…あまり…」
もぉ正直…、何がなんだか分からない…
藤 「ごめん…」
北 「何が?」
藤 「どっからが夢…?」
もぉ自分を信じるには不確か過ぎて思わず聞いた…
北 「それさっきも言ってたけど、どした?(笑)」
藤 「いや、もぉ何がなんだか…、ハハ…」
北 「お前起きながら夢見れんの?(笑)」
藤 「さあ…」
夢の中なら今起きてようが寝てまいが関係ない気がする…
北 「夢じゃないよ」
藤 「…」
北 「これで信じられるか?」
藤 「えっ…と……どっから…?」
北 「どっからって、全部だよ全部(笑)」
お前が電車降りなかった所から全部だよって笑われた。
そこから全部って…、いや、え、本当に…?
なら…、俺が夢だと思った事は…
藤 「……信じらんない」
北 「まだ言うか(笑)」
藤 「だって…」
俺は胸の高鳴りを抑えるのに必死だった。
北 「だって?」
藤 「…」
だってそれじゃ…
君が連れてって言ったのも、俺とならって言ったのも、
まるで…、俺の気持ちに応えてくれたみたいじゃないか…
藤 「いやいやいや…」
信じてやっぱり夢でしたはもぉこりごりだ。
そんなのこの短時間で何度も味わうもんじゃない。
落ち着け、落ち着け俺、夢なら覚めてくれ。
今度こそ本当に、頼むから、頼むから…
藤 「いっ!?」
北 「痛い?」
突然頬に激痛を感じると、
君がマジマジと俺を見ながら頬をツネッていた。
北 「お前が夢見てるなら、俺が体験したのも夢かな?」
藤 「…」
北 「お前と手重ねて、キスして、髪を整えてくれたのは夢?」
藤 「…」
北 「俺ら、同じ夢見てんの?」
そんな同じ内容の夢を見るとか、
ドラマや映画みたいな事ある訳ないだろ?
…って思うのが普通だと思うんだけど…
藤 「なら…本当に…」
北 「夢なんか見てる場合じゃないんじゃない?」
君はそう微笑むと、
掴むだけだった手を握り直し、絡め、強く握った…。
それは夢だと思ってた場所で感じた体温と、同じだった…。
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朱蝶(プロフ) - みおみおさん» みおみおサン♪お久し振りです!お元気ですか!?(*≧∀≦*)みおみおさんはいつも、お話を愛してくださるので、こちらの方が幸せです!!有難うございます(*´▽`*) (2017年7月4日 22時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
みおみお(プロフ) - 熱を纏うような気持ちで読みふけりました。大好きなおふたりの作品。読めたこと。。。藤ヶ谷さんと北山さんの二人の空気を壊さぬよう、息を潜めるように読んでいた自分に、すこしてれてしまいました。シンクロするように体温まで操られて夢中で読みました。幸せです。 (2017年7月3日 19時) (レス) id: adbbb5262d (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶサン♪有難う御座います(*^^*)んふふ、そんな細かく色々振り回されて頂き、私とMISA様はニヤリ顔に御座います(笑)いつも私のもMISA様のも沢山のお話を読んでくださり有難う御座います(*^^*) (2016年9月24日 19時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - って思わせる言葉にニクイねぇ(笑)って♪嫌いだとどうされるんだっけ‥ってトコはうーっっ(萌)って♪夢???現実?ってラストまでドキドキしっぱなしでした♪おふたりの素敵な世界の余韻に浸っております♪ (2016年9月24日 18時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 朱蝶サン♪遅ればせながら‥完結おめでとうございます♪電車でみっくんの腕を引っ張った太ちゃんの気持ちにキュン‥って胸が疼きました‥そこから過ごした二人だけの時間はジリジリした夏の蜃気楼に包まれた世界みたいで神秘的‥。みっくんの可愛さやどっちなのぉ? (2016年9月24日 18時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶・MISA | 作成日時:2016年9月8日 20時