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何も答えない俺に、また長い沈黙。
どうして…こうなっちゃうかな…。
俺はただ…君と楽しく過ごしたかった…。
君と楽しい思い出を増やしたくて、
君との2人の時間を堪能したくて、
君にもっと俺を見て欲しくて…、なのに…、
なのに…、今君に向けられてる視線は…苦しい…。
北 「…」
藤 「…」
北 「……俺が嫌いで困らせたかった?」
藤 「!?」
北 「このあと戻ってしっかりしろって怒られればいいって、」
藤 「そんなんじゃないっ!!」
思わず、大きな声が出た。
驚いた顔をする君に「しまった…」なんて思ったが、
次に驚いた顔をしたのは俺だった。
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北 「分かってるよ、ばぁか」
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そう言って君が微笑んだから。
馬鹿は…そっちだろ…、俺の何を…分かってるんだよ…って、
胸がミシミシと音をたて、やっと君から目を逸らせた。
『パンパンッ』
藤 「!?」
北 「考え過ぎんなって(笑)」
突然背中を叩かれ、君を見るとやっぱり…笑ってた。
藤 「なんで…笑ってんだよ…」
北 「え?いや、悪い癖出てんなって思ってさ(笑)」
藤 「…クセ?」
北 「そうやって何でも考え過ぎちゃうとこ?昔からそうだろ?」
俺の事を知ったように話す君。
藤 「……昔の話だろ…」
北 「?」
藤 「今の俺の……何を知ってんだよ…」
俺が君を好きだとか、
好きだから色々苦しい思いしてるとか、
こんならしくない迷惑までかけちゃうほど好きだとか、
この距離を誰よりも俺は望んだはずなのに、
その俺が逃げ出したいと思ってるとか…
なんも…なんも知らないくせに…
北 「知ってるよ」
藤 「!?」
北 「藤ヶ谷がどれだけ頑張ってるとか分かってるつもり」
藤 「…」
北 「でも、知らないこともある」
藤 「…」
北 「だから、教えてよ、答えてよ藤ヶ谷」
藤 「ッ…」
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また…、そんな瞳……
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北 「イマ、なに考えてる?」
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何かを考える……余裕なんてなかった…
ただ、その瞳に映る自分を見てるのでいっぱいいっぱいだった…
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朱蝶(プロフ) - みおみおさん» みおみおサン♪お久し振りです!お元気ですか!?(*≧∀≦*)みおみおさんはいつも、お話を愛してくださるので、こちらの方が幸せです!!有難うございます(*´▽`*) (2017年7月4日 22時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
みおみお(プロフ) - 熱を纏うような気持ちで読みふけりました。大好きなおふたりの作品。読めたこと。。。藤ヶ谷さんと北山さんの二人の空気を壊さぬよう、息を潜めるように読んでいた自分に、すこしてれてしまいました。シンクロするように体温まで操られて夢中で読みました。幸せです。 (2017年7月3日 19時) (レス) id: adbbb5262d (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶサン♪有難う御座います(*^^*)んふふ、そんな細かく色々振り回されて頂き、私とMISA様はニヤリ顔に御座います(笑)いつも私のもMISA様のも沢山のお話を読んでくださり有難う御座います(*^^*) (2016年9月24日 19時) (レス) id: 79dba4bb20 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - って思わせる言葉にニクイねぇ(笑)って♪嫌いだとどうされるんだっけ‥ってトコはうーっっ(萌)って♪夢???現実?ってラストまでドキドキしっぱなしでした♪おふたりの素敵な世界の余韻に浸っております♪ (2016年9月24日 18時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 朱蝶サン♪遅ればせながら‥完結おめでとうございます♪電車でみっくんの腕を引っ張った太ちゃんの気持ちにキュン‥って胸が疼きました‥そこから過ごした二人だけの時間はジリジリした夏の蜃気楼に包まれた世界みたいで神秘的‥。みっくんの可愛さやどっちなのぉ? (2016年9月24日 18時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶・MISA | 作成日時:2016年9月8日 20時