色鉛筆の使いかた。

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自分は所詮他人。

誰も守ってくれない。

先生は誰に引き留められる事もなく、

むしろ押し込まれるように少年院に入った。

先生はそこで10ヶ月過ごした。

面会は規則で祖父しか出来なかったが、

勿論来ることはなかった。









『初めまして、太輔様』









自分はこれからどうなるんだろうと外に出た時、

外で1人の男性が待っていた。

その人は祖父の使いで来た人だった。

言われるがまま車に乗り、連れられた1軒のｱﾊﾟｰﾄ。









『本日より、こちらが太輔様のお住まいになります』









今回の事はあっという間に親戚中に知れ渡り、

誰も先生を引き取ろうとはしなかった。

だから祖父が渋々背負うことになった。

だが、極力関わりたくなかったのだろう、

先生はまだ15という歳で一人暮しを言い渡された。

勿論資金援助はある。









藤 ｢あぁ、やっと自由になれたって思いました。｣









時期は15の冬。

先生は普通制の高校入試は諦めた。

変わりに定時制の入試に向け、

そこから2ヶ月半猛勉強をして無事に受かった。









北 ｢…俺だったら高校行かなかったと思うわ｣


藤 ｢一応高卒ぐらいは必要だと思ったんです。それに、｣









直接祖父の管理下にいたから月に1度祖父の使いで、

先生の生活、成績等を確認する人が来たそうだ。

顔も知らない祖父。

自分を必要としない祖父。

先生にとっても祖父は知らない人同然。

そんな何も感じない知らない人に監視される生活。






ｽﾄﾚｽが溜まらない訳がない。






それでも問題を起こさないようにと、

今切り離されても生活に困るからと、

先生は高校生活も真面目に過ごしていた。









藤 ｢でも、どっかでやっぱ憂さ晴らししたかったんですよ｣









先生の通ってた高校は昼間も定時もごく普通の学校。

でも、まぁ何処にでもいる反抗的な生徒もいた。

定時となれば明らか不良っぽい奴も多い。

ある日先生はそいつ等に教室で絡まれた。









男『なぁ良い子ﾁｬﾝ、勉強は楽しいかい？』


藤『…別に』









先生は勿論始めは相手にする気はなかった。

それは人見知りからくるものじゃなく、

ただ周りに興味がなかったからだと言った。

それを聞いた時、まるで今の俺のようだと思った…。

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