色鉛筆の使いかた。

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でもある日、その家に義祖母が来た。






義母から聞いたのか、先生を心配して来たのだ。

そしてそれから毎日のように食事を作りに来た。

義祖母は優しく、懐かない先生に対しても、

いつも笑って接していたらしい。

先生もそんな義祖母に対して少しずつ心を開いた。






そして、先生は義祖母の家へ移った。






義祖母は養育費は受け取ったが、

他の金は受け取らず義母の元にそれだけ流れた。









『たっくん、沢山笑いなさい。たっくんのために。』









そんな風に先生の心の傷を優しく包んだ。

子供ながらに先生は自分の立場を分かっていた。

自分が親戚…そして本当の祖父にとって邪魔であること。

だから段々と成長にするにつれ、

先生は義祖母に対して感謝をするようになった。






義祖母のためにしっかりしたい。と。






引き取って良かったと思って貰えるように、

先生は勉強でも何でも頑張った。

義祖母はそれを褒め、自慢だとよく笑ってくれたらしい。

だが、運命とは皮肉なもんだ。






先生が14の夏、義祖母が亡くなった。






まだ未成年、義務教育も終わってない。

先生はまた新たな親戚に引き取られた。

だが先生も幼すぎた子供から成長した。

義祖母から習った礼儀作法、

そして義祖母のために頑張って培った頭脳に身体能力。

先生は変わらず良い子であるようにした。






『ﾎﾝﾄに優秀ね、うちの子とは大違いだわっ♪』






だが義母のその言葉が引き金になった。

その家の義兄弟に隠れて嫌がらせをされ始めた。






『いつも笑ってて気持ち悪ぃんだよっ！！』






執拗な虐め。

見えない所を殴られるんてしょっちゅうだったらしい。

毎日繰り返される罵倒と暴力。

でもそれに気付かない義両親。

頑張らないと自分は迷惑な存在になる。

でも頑張ったら頑張ったで嫌われる存在になる。






何が正しくて自分がどうしたらいいのか分からない。






そんな追い込まれる生活を半年続けついに限界がきた。

その日も先生は義兄弟に暴力を受けていた。

そして切れたらいけない何かが切れたのだろう。






先生は相手を病院送りにするほど殴り返した。






それは勿論オオゴトになった。

いくら優秀な先生を可愛がってたとしても、

我が子がそうなれば義両親は手のひらをｱｯｻﾘ返す。

先生は警察に引き渡された。

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