色鉛筆の使いかた。

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ｺﾞｸｺﾞｸと先生の喉仏が動く。

少しの恐怖はあった。

また豹変したらどうしようって。

でも、ﾋﾞｰﾙも煙草同様に先生は旨そうに飲んだ。









藤 ｢ﾌｩ…ん？どうしました？｣


北 ｢いや、ﾎﾝﾄに酒飲めんだな｣


藤 ｢飲めますよ(笑)家では毎日1缶は飲みますよ？｣


北 ｢へぇ〜｣


藤 ｢煙草はあまり吸わないようにしてますけどね｣









なんで？って、

喉のすぐそこまで出かかったが言うのはやめた。

なんか分かった気がしたから。









藤 ｢なんでって聞かないんですか？(笑)｣


北 ｢昔の先生が出る…から？｣


藤 ｢まぁそんな感じです(笑)｣


北 ｢…｣


藤 ｢…ﾌﾌ、それで、なんで僕が北山ｻﾝにって話ですよね｣


北 ｢え、あ、あぁ｣









なんかそっちより昔の先生の方が気になる…が、

それは最終的に聞けんのかな…

怖い気もするが臭いものをつい嗅ぎたくなるような、

そんな抑えのきかない好奇心…









藤 ｢ん〜…｣


北 ｢…｣


藤 ｢僕、10代の時1回捕まってるんです。｣









あ、聞けた…。

10代って事は少年院か。

まぁ…捕まった奴とかうちのｽﾀｯﾌにもいるし…

男同士だったら若気の至り的なもんで、

結構笑い話になったりするし…

別に特別なんか思ったりしねぇかなぁ〜









藤 ｢…すみません、嘘です…｣


北 ｢！？｣









嘘かよっ！！

あんだよっ！！そんな茶目っ気いらねぇよっ！！









藤 ｢ぁ…怒りました…？(苦笑)｣


北 ｢…怒っては…ない…｣









苦笑いする先生を横目でｼﾞﾛｯと見た。

ﾎﾝﾄに話す気あんのかよ…









藤 ｢ﾎﾝﾄはですね、2回なんです｣


北 ｢…2回？あ、そっちっ！？捕まってはいんのね！？｣


藤 ｢ﾊﾊ(笑)はい、捕まってはいます(笑)｣









つい突っ込んじまったけど、

先生はなんだか嬉しそうに笑った。









北 ｢…そんで？｣


藤 ｢そんで？｣


北 ｢そんでソレが何？俺にまとわりつくのとなんか関係あんの？｣


藤 ｢……罪状聞きますか？｣


北 ｢…いい。話したいなら話せば？｣









正直気になる。

でも俺は聞いたらきっと比べる…自分のした事と…。

どっちが可哀想だとか酷い人生だとか…

そんなのしたって結果惨めになるのは自分だ…。

だって、先生は今ちゃんとしてる…俺と違って…。

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