色鉛筆の使いかた。

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藤 ｢ﾎｽﾄｻﾝでしたか。｣









ﾎｽﾄなんて別に珍しくないだろうけど、

顔色1つ変えないんだな。

大抵は驚かれたりするもんだけど。

やっぱり元同業者かい？









藤 ｢これは源氏名ですか？｣


北 ｢そうだよ｣









名刺をジッと見つめると、少し顔を曇らせた。

お、なんだ？何に反応した？









藤 ｢…北山ｻﾝ…｣


北 ｢ん？｣


藤 ｢本名教えてください！！｣


北 ｢は？｣









え、そこ？









藤 ｢俺はお客さんじゃないですよー？本名がいいですー！｣


北 ｢…｣









あれ…、やっぱｺｲﾂただの馬鹿？

なら一気に興味はなくなった。

ﾎﾝﾄにただの馬鹿で面倒な奴なら関わりたくない。









北 ｢断る｣


藤 ｢なんでですかー？｣


北 ｢だって必要？｣


藤 ｢え？｣


北 ｢友達でもないのに、コレで充分だろ？｣


藤 ｢じゃあ友達になってください！｣


北 ｢それも断る｣


藤 ｢なんでですかっ！？｣


北 ｢なんでも、ほら名刺返せ｣


藤 ｢北山ｻﾝっ！｣


北 ｢…｣









先生の手から名刺を取ろうとしたら手を掴まれた。

咄嗟だったはずなのに、包むように優しい。

感じる違和感。

でも俺はこの感じをよく知っていた。

だから、ｺｲﾂがこんなにも懐くのかも納得いった。

握られた手から視線を顔に移し、聞いてみた。









.





北 ｢先生、あんたゲイ？｣





.









そう言うと先生は驚いた顔をした後、優しく笑った。

風仕事でそんな奴はごまんといる。

男にも抱かれてる俺だ。

だから気持ち悪いとかはない。

あぁ、そうなんだって思うだけ。









ただ、ﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄだからこそ余計お断りだ。









北山宏光はゲイの相手はしない。

だからって金も貰えないのにコウは働いたりしない。

ｱﾝﾀとはやっぱりこれっきりだね、先生。

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