色鉛筆の使いかた。

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店に入ってからﾒﾆｭｰの事やら、

食わせ続けたりﾄﾝｸﾞを取り上げたりしてたが、

それも落ち着いて一瞬の間が出来るって時。









藤 ｢あ、ﾋﾞｰﾙお代わり頼みますね？｣


北 ｢あ、有難うございます…｣









車に乗ってる時から思ってたけど、

ｺｲﾂ話の間とるの上手いよな。

気まずさを隠すためにしきりに話す訳でもなくなく、

間が出来てもそれはﾜﾝｸｯｼｮﾝであり気まずさがない。

すぐ次の話題がﾎﾟﾝｯと出る。

まさか、元同業者か？

この流れだと酒が来たらまたなんか話しだすだろ？









店 ｢お待たせしましたぁー｣


藤 ｢有難うございます、はい、北山ｻﾝ｣


北 ｢ども…｣


藤 ｢そう言えば、北山ｻﾝっていくつですか？｣









ほらね。









北 ｢28です｣


藤 ｢あ、僕の2つ上ですね！｣









なんだ、たった2つ下か。

でもそれぐらいか、すげぇ幼いって訳でもないし。









藤 ｢北山ｻﾝ若く見られるでしょ？｣


北 ｢まぁ…、年下だと思いました？｣


藤 ｢いえ？落ち着いてるんで年上だとは思ってました｣









落ち着いてるっていうか、冷めてるだけだけどな。









藤 ｢あの辺にはいつから住んでるんですか？｣


北 ｢1年…半ぐらい前から｣


藤 ｢じゃあもっと前からどっかで会ってたかもですね(笑)｣


北 ｢ですね、ほぼ毎日幼稚園の横通ってますし｣


藤 ｢んふふ、新しいご縁に感謝しなきゃだなぁ〜♪｣









感謝…？馬鹿言うなよ。

俺はもうこれっきりにしたいんだけど。









藤 ｢んふふ、北山ｻﾝってｸｰﾙでｶｯｺｲｲなぁ〜｣









それはなに？

全然笑わねぇって文句言ってんの？

だって、仕方がないだろ。






楽しくもなんともないんだから。






金も発生しないのになんで笑わなきゃいけないんだよ。

店で笑ってあげてるのは金を貰ってるから。

友達でもなんでもないんだから、

ﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄで仲良くする必要なんてない。

そう思うから、

客とは金も発生しないﾌﾟﾗｲﾍﾞｰﾄの付き合いはしない。









北 ｢そんな事ないですよ｣


藤 ｢えぇー、そうですか？｣









そうですよ。

ただ腹黒いだけですよ。

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