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次の日、夕方頃家を出た。
いつもの道を歩いてる時だった。
藤 「あ、北山さぁーんっ!」
声のする方を向くと、
幼稚園のグラウンドから昨日のアイツが大きく手を振っていた。
わざわざ声とかかけなくていいんだけど…
軽く会釈するとソイツが駆け寄ってきた。
そして柵ごしにニコニコと話をかけてきた。
あー…寄ってこなくていいっつーの…
藤 「どこかお出掛けですか?」
北 「仕事です…」
藤 「あ、そうなんですか!お疲れ様です!」
北 「じゃ…」
藤 「はぁーい、いってらっしゃーい」
ソイツはまたニコニコと笑いながら手を振った。
イッテラッシャイ……、久々に言われた…
『いってらっしゃい、気を付けてね』
『あ、おかえりー!ご飯もう少しだよー』
ふと、母ちゃんを思い出した。
俺は母ちゃんしか知らなかったから。
俺の人生でそう言ってくれる人を他に知らない。
だから、なんだか違和感を感じた。
それと同時に擽ったくもあった。
北 「…」
後ろを振り返ってみると、
アイツは園児と遊んでて、もうこっちなんか見てなかった。
やっぱ変な奴…
なんか変に懐かれても嫌だし、
出来ればもう関わりたくねぇなって思った。
でもそんな心配なんて必要なかった。
次の日からまた昼間は風仕事だったから、
アイツに会うことはなかった。
たまに働いてる所を見かける事はあったけど、
勿論俺から話をかける事はなかった。
ただ、アイツはいつ見かけても笑ってた。
それが俺には不思議で、
気付けば毎日幼稚園の横を通る度に無意識にアイツを探していた。
自分がアイツを気にしてるって気付いたのは、
幼稚園の先生なんだから笑ってて当然か。
って気付いた時だった。
仕事なんだから笑ってて当然だ。
なのに何がそんなに気にかかってたのか自分でも不思議だった。
俺だって仕事中ぐらいは笑ってる。
なんも不思議な事はない。
その日はアイツじゃなくて自分の事を変だと思った。
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朱蝶(プロフ) - りーりんさん» りーりんサン♪通知が来てなくて、コメント今気付きました(。>д<)ホントにごめんなさい!!そして遅れましたが明けましてですね、今年もどうぞ宜しくお願い致します(*^^*)そしてお話の方も、是非2章の方も宜しくお願い致しますm(__)m (2016年1月15日 6時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
りーりん(プロフ) - あけましておめでとうございます!朱蝶さんの作品どれもドキドキわくわくしながら読んでます!藤ヶ谷さんに対する北山さんの態度がだんだんと変化していく様子を見ておやおや?っと思いました!笑 これからも引き続き応援させて頂きます!!頑張ってください!! (2016年1月5日 11時) (レス) id: 49e989fdfb (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - FUKA … xxx さん» FUKA … xxxサン♪明けましておめでとうございます(*^^*)今年も楽しんで頂けるように頑張りますねo(`^´*)ただ今年のこちらの更新はもう暫くお待ちくださいませーm(__)m (2016年1月3日 16時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - みちゅるんさん» みちゅるんサン♪あ、2回目気にして頂き有難うございます(゜▽゜*)その2回目がちょっと大事だったりするんです!!鼻が利きますね(*´艸`*)♪今年の更新はもう暫くお待ちくださいませーm(__)m (2016年1月3日 16時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶサン♪明けましておめでとうございます(*^^*)そうなんです、2人は似てるけど正反対なんです。でも正反対の方が人は同じより何かを生み出すんですよ(*^^*)今年の更新はもう暫くお待ちください!!(笑) (2016年1月3日 16時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2015年10月26日 18時