【 Fisher's 】 おさかなたべたい 、 【 男主攻 】

▲ 最低野郎 / 両想 Ver. 1-2 ページ8

慰めて"あげた"後、

ぐっすり眠り、早く迎えた翌朝


眼を覚ますとやけに広い。

彼奴、 リビング行ってんのか。

腰大丈夫かな … 、 ん、あれ??


自分の思った事に

少し違和感を感じながら

起き上がる。 するとドアの隙間から


いい匂いが漂って来て。

今まだ 朝の4時だぞ? 早くないか


『 まあいいや 』


乱れた服を正しながら


リビングに向かう。


少しとばかり 身体が重い。


『 おはよ 』


いつもの短い挨拶をして

定位置に座って 新聞紙を手に取る

またこの政治家やらかしたか…


「 やっぱ俺凄いわ 」


急にモトキが
話しかけて来るもんだから


すぐには返せなかった。


『 っ、なにが?? 』


「 早く起きてくるって分かった 」


そんな凄いか、 それ。

笑いながら

用意してくれた朝食に手を付ける


やっぱ料理うまいな


「 今日出かけるから 遅くなる 」


『 ん、… 誰と?? 』


「 え? なんて? 」


無意識で それを聞いていた。

なんか、 なんか引っかかる。

甘い白米を口に運びながら

それが何故なのか 考えてみる


「 ね、なんて言ったんだよ? 」


『 なんでもないって 』


素っ気なく返すと むす、と

口を尖らせて 拗ねる。

なんだこの可愛い生物は?


……

定期的に見てるぞ、 昨日から

今にかけて本当に可笑しい。


昨日モトキが 泣いた時、

此方まで悲しくなった。

こうなった時の 態度で

冷たく見下ろしたけれど、


やっぱ悲しいものは

悲しかった。 何故なんだろう。


「 おぅい、 」


『 おぅっ!? 』


此奴の声が聞こえなくなるくらい

考え込んでたのか 。


ありがと、お陰様で

我に返ることが出来た。


「 そろそろ出る 」


空になった茶碗と 薄皿を持って

台所へと向かっていくモトキ。


どこか寂しいな、

なんて思った自分を無視して


また新聞に眼を移す。


それから数十分後、


モトキを尻目に見ながら


行ってらっしゃい、と言葉を送った


.


.


.



モトキが帰ってきた。


現在時刻 夜中2時。

撮影してただけらしいけど

無性に腹が立つ。


なんだ、今までこんな事


無かったのにな 。


『 …… 』


額を手で支えて

心を落ち着かせようとするけど、

やっぱり落ち着かない。


「 ただい 」


『 遅い 』


「 え、?? 何? 」


知らないうちに俺の中の

何かが切れていたらしい


『 こんな遅くまで何処居たんだよ 』


「 だから、撮影って 」


『 俺に無断で12時越す
ㅤㅤような所まで行くな 』

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