０℃の短針と刻む夏。< 2 >

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＜ミツside>






『おチビ、天界に帰んな』


『え…』


『そしたらおチビも堕ちない、主も他の天使が着くし問題ないだろ？』


『……』


『おチビ』


『カラスが…悪魔で良かったかも…』


『はぁあ！？』


『だって、同じ天使だったら俺は強制的に天界に戻されただろ…』









天界に連れ戻される…


それは罰じゃなくて、主…太輔のため…


力のない天使が着いてても仕方がないしね…









『それは戻るつもりはないってか』


『……今は…』


『人間に恋しても無駄だぞ、おチビがツラいだけだ』


『……それでも傍にいれるだけ居たい』


『……』


『…』


『まぁ好きにすれば？どうせおチビはそのうち主から離れる事になるよ』


『…』


『自分でも分かってるんでしょ？』









それは分かってる…


こんな欲にまみれた俺がついてて太輔に良いことなんてないし…


でも…だから、その時まで一緒にいたい…









『おチビは優しいからね。』


『…優しくなんか…ないよ…』


『決めた！俺もぉおチビ喰おうとするのはやめるわ。』


『え…』


『明日からは全部自分でなんとかしな、じゃあな。』


『あ、カラ…ス…』









俺を覆ってた影が消えると月の光が部屋を照らした。


全部自分でって言われた意味を、


俺はその時よく分かってなかった。


もぉ話を聞いてくれなくなる程度にしか思ってなかった。

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