０℃の短針と刻む夏。

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＜ミツside>






藤 ｢あ。｣


『ふぇ？』






みんなが帰ってテレビ見てた太輔からマヌケな声。






藤 ｢ミツ…どこで寝る？ってか寝る時どうするの？ん？
そもそも天使って寝るの？いや、この間寝てた…よね？｣


『質問いっぱい…』


藤 ｢あ、ごめんごめん(笑)｣


『俺も寝るよ。ってか休む？』


藤 ｢休む…なるほど。やっぱ浮いたまま？｣


『うん。』


藤 ｢ほぉ。不思議。｣









不思議そうな顔してるけど、

天使からしてみれば人の方が不思議。

人はずっと寝ないって出来ないんでしょ？

天使は疲れるけど、休まなくても大丈夫だもん。

ただ人が寝てる時はすることないから休むだけ。









藤 ｢ふよふよ流れたりしないの？｣


『しないよ。だってこうするから。』









羽を広げ体を丸めて自分を覆った。

羽に包まれると安心するから。









藤 ｢おぉ…横にならないんだ？｣


『ならないよ』


藤 ｢へぇ。じゃぁこの間ﾍﾞｯﾄﾞ入ったけどゆっくり休めなかった？｣


『休んでないよ。』


藤 ｢まじかよっ！！｣


『まじ(笑)』


藤 ｢じゃぁなんで入ったんだよ(笑)｣


『ウシシ♪』









それは太輔が呼んでくれたからだよ。

別にﾍﾞｯﾄﾞでも休めないわけじゃなかったけど、

太輔が横に居てﾄﾞｷﾄﾞｷして寝れなかったし。

だから太輔が寝てから出ちゃったんだよね。









藤 ｢寝ない体ちょっと羨ましいなぁ｣


『人って不便だよね？』


藤 ｢そだね(笑)ミツは人にはなりたいって思った事ある？｣


『ない。あっ、でも、太輔が楽しそうにしてる時は俺も出来たらいいなぁって思ってた。』


藤 ｢……｣


『なに？』


藤 ｢んふふ｣


『？』


藤 ｢さぁ寝よっかな(笑)｣


『なんなんだよっ！？』


藤 ｢なんでもないよ、これからはいっぱい楽しい事しようね、一緒に(笑)｣









太輔はフトンに入るとおやすみって言った。

これから毎日楽しいなぁって俺を手招いた。

傍に行くと頭に手をあてられた。

やっぱり触れないかって唇を尖らせた。

伸ばした手をフトンにしまうと、また明日ねって笑った。









触れないのにソレをした意味が俺にはわからなかった。

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