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<藤side>
そう言われると抱き締めてあげたくなる。
これは父性?
藤 「ミツ、こっちきて?」
『ん?』
俺の傍にきたミツに俺は両手を広げた。
藤 「ずっと俺を見守ってくれてありがとう。」
『……』
藤 「俺にお礼のギュッさせて?」
『たいすけ…』
ミツは困ったように笑うと『ありがとう』って言った。
でも言っただけで飛び付いてこなかった。
喜ぶと思ったんだけどな…。
藤 「あ、ギュッは特別?」
『ううん…そうじゃなくて、凄い嬉しいんだけど…』
藤 「じゃ、おいで?恥ずかしい?」
『ううん…あのね、触れないんだ…』
藤 「え?」
『俺らは人に触れないんだ。』
藤 「触れないって…触っちゃいけない決まりなの?」
『違うよ。俺らは別々のものだから、ほら…』
ミツの手がソッと俺の頬に当てられたが、
俺は何も感じなかった。
確かに触れてるようなのに、何も感じない。
『…ね?触れないんだ。』
藤 「……あっ、俺が手合わせても!?」
『うん、駄目だよ、天使と人は交われないんだ。』
藤 「そっか…あっ、でも昨日布団に入ったじゃん!」
『入ったけど、太輔俺が居て温かいって思った?』
そう言われると…
あの人と寝る時の独特の温もりはなかった…かな…
藤 「でもミツ温かいって…ミツは俺の体温分かるの?」
『分かんないよ』
藤 「じゃぁなんで、」
『太輔が受け入れてくれた気持ちが温かかったんだ』
藤 「そ…っか…」
それはなんだかとても寂しかった。
こんなにもハッキリと見えてるのに触れない、
それはつまり実体がこの世にはないってこと…
『心の温かさは体と同じなんだよ。
だから太輔の体もとっても温かいんだと思う。』
ミツは微笑んで俺の手に自分の手を重ねた。
重なった手からは何も感じないけど、
その原理が天使にも通じるなら、
きっとミツの体温も温かいんだろうね。
『太輔ギュッしてくれるって言ってくれてありがとう』
抱き締めてあげれなかったのに、
嬉しそうに満面の笑みを見せるミツ。
添えられた手を握り締めてみたけどそれは俺の体温。
それを見たミツは温かいねって笑った。
そんなミツをさっきよりも抱き締めてあげたくなった。
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朱蝶(プロフ) - たまちゃんさん» たまちゃんサン♪んふふ、ホント初めましての日課は嬉しいみたいで(*^^*)毎日見守るだけだったので、何かされるって嬉しいでしょうね~(*´艸`*)♪ (2015年7月19日 20時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - あぃりすさん» あぃりす様♪素敵な日課が出来ました(*´艸`*)♪毎日ルンルンみつクンです♪にかチャンは…にかチャンはレッツドゥーイン♪ですよ( ̄▽ ̄)b (2015年7月19日 20時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - みっくんの日課ができてうれしいのね〜 (2015年7月18日 20時) (レス) id: 6b828e5d7b (このIDを非表示/違反報告)
あぃりす(プロフ) - 触れなくても頭に手かぁ…太輔サン!惚れてまうやろー(*/□\*)エンジェルミツの日課…素敵な日課か出来たね(*≧∀≦*)あ、ニカチャンはやはり利用しやすい…レッツドゥーイン♪ですな!←ぇ(笑)移行待ってます( ☆∀☆)キラン。ハッピーщ(゜▽゜щ)ウェーイ← (2015年7月18日 18時) (レス) id: afb383c295 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - あぃりすさん» あぃりす様♪そうなんです!!実は出来る子!!利用しやすい子なんです!!←こらこらww あぃりす様がハッピーなら私もハッピーでやんすヾ(*´∀`*)ノ (2015年7月18日 17時) (レス) id: 8f5c2f994c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 * hiromai x他1人 | 作成日時:2015年6月15日 20時