０℃の短針と刻む夏。

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＜藤side>






普通の…いやちょっと変わった子供だと思えば怖くない。

……ううん、チビは始めから怖くなんかなかった。









『これはテレビ♪これはレーゾーコ♪』


藤 ｢ふふ｣


『これは太輔！！ウシシ♪』


藤 ｢君はチビ。｣


『ンフフ♪太輔と喋ってるー♪』


藤 ｢嬉しいの？｣


『そりゃぁーね！今までどんだけ話し掛けても駄目だったし、目だって俺が合わせてたの！！』


藤 ｢だから顔を近付けるんだね(笑)｣


『そぉ！合った感じがしてなんか嬉しいし！』


藤 ｢そっか。｣


『まさか太輔と話せる日がくるなんてなぁ♪』


藤 ｢……｣









その言い方は俺をずっと知ってた言い方じゃない…？

いやいや…。

……………。

えぇぇぇぇぇぇ！？

俺もしかしてずっと前から取り憑かれてたの！？！？









『やっぱ見えるようになったのはアレが原因かなぁ』


藤 ｢アレ…？｣


『うん、太輔迎えに行ったからだと思うんだよね』


藤 ｢迎えに…きた…？｣


『俺道案内したんだぜ？』









言ってる意味がｻｯﾊﾟﾘ分からない。

俺がいつ道に迷ったんだ？









『別に死ぬとかじゃないけど、帰ってくるの遅かったからさぁ。じゃないと太輔ずっと寝たままだったよ？』


藤 ｢死ぬ…、あ、事故にあったあと…？｣


『そぉそぉ！』









正直あまり記憶にはないけど、

この子は助けてくれたのか…。









藤 ｢も、もし…チビが迎えに来てくれなかったらどうなってた…？｣


『ん…起きるのもう少し遅かった！』


藤 ｢死んでたとか…｣


『それはないよ！ただ道が見えるまで時間がかかっただけ』









ホッ…良かったぁ…。









藤 ｢えっと…助けてくれて有難う…？｣


『むしろそれしか出来なくてごめんな？』


藤 ｢え、うん…？｣


『もし太輔が死に際とかだったら俺は助けてあげれなかった』


藤 ｢…そう…なんだ…｣


『守護天使は直接命に関わる事に手は出せないんだ…』


藤 ｢そうなんだ……えっ！？｣


『え？』









今この子なんて言った！？

守護天使！？！？誰の！？！？俺の！？！？

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