素直になるということ3 ページ14
日曜日の早朝。
今日も軽くランキングをしながら公園へ向かう。
素直になってから、随分心が軽くなった。
無理に自分を抑える必要がなくなったから。
誰にも言うつもりなんて更々なかったのに、
アイツのバスケに対する純粋な気持ちを無下にすることなんて出来なかった。
でも、本当にそれだけ?
本当は心のどこかで自分のことを分かってくれる人を欲しがっていたのかもしれない。
苦しくても苦しいって言えなくて、いつも逃げていたから。
そのことを誰かに分かってもらいたくて、知らず知らずに本当は助けを求めていたのかもしれない。
・・・だからって、流川に言うことなかったかな?
アイツ他人に興味ないし。
ちょっと言う相手を間違えたかも・・・
そんなことを考えながらも、不思議と足取りは軽かった。
公園へ近づくごとに大きくなっていくドリブルの音に少し緊張してコートを覗くと、そこには思った通りの人物の姿があった。
「・・・おはよ、流川」
流「・・・うす」
私の声に気づいた流川は顔だけこちらへ向けてあいさつをすると、すぐ様にゴールへ向かってシュートを放ちバスケに集中し直した。
コイツのバスケにかける情熱は本当に凄いと素直に感心する。
きっと、誰よりも負けず嫌いで、誰よりも強くなりたい一心で人一倍の努力をするのだろう。
そして中学の頃、そのひた向きな姿に私は、
思い出を回想しそうになった私は、慌てて意識を取り戻し、雑念を振り切るようにリング目がけて思いきりボールを放った。
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作者名:けい | 作成日時:2015年6月5日 5時