1年生 ページ2
昼休み。
今日はポカポカ陽気で気持ち良い。
彩子と中庭でお弁当を食べてると、可愛らしい子がこちらに向かって走ってきた。
「あやこさ〜ん！」
女の子はブンブンと手を振り、笑顔で走ってくる。
彩「晴子ちゃんお疲れ〜」
彩子もそれに応える。
晴「お疲れさまですっ。あっ、はじめまして！私、1年の赤木晴子と言います。よろしくお願いします！」
息を弾ませながら、少し緊張気味の晴子が私に向かってペコリとお辞儀をした。
「はじめまして晴子ちゃん。私は本村えみ、よろしくね。晴子ちゃんはゴ、赤木先輩の妹なんだって？」
晴「はいっ。兄のこと知ってるんですか？」
「知ってるっていうか、私1年の時女子バスやってたから赤木先輩にはお世話になったんだ」
晴「そうなんですか。あれっ？こないだの勧誘会には？」
「あぁ、出てないよ。去年の秋に廃部になったから」
晴「そうでしたか…」
彩「なんで晴子ちゃんが暗くなるのよ」
すかさず彩子がつっこんだ。
晴「すみません、私変なこと聞いちゃって…」
「べつに謝ることじゃないよ。おかけで放課後満喫できてるし」
申し訳なさそうに肩を落としている晴子ちゃんに微笑みかけながらそう言った。
そのあと晴子ちゃんは、1年生に桜木花道という赤い頭の男子がいて、「その人バスケは初心者なんだけど、とにかく凄いのっ」と興奮しながら彩子にひと通り話して帰っていった。
へぇ〜桜木花道。春にぴったりの名前だね。
そういえば、アイツはどこの高校に行っただろうか。
桜木花道と同い年でバスケしか頭にないアイツ。
暖かい風を感じながら、少し昔の思い出に浸っていた。
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作者名：けい | 作成日時：2015年6月5日 5時
