✵When the sun rises. ページ3
ヨーロッパ組シェアハウス間の話
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まだ朝日が昇りきっていない群青色の午前5時。リビングに白色の蛍光灯のみが光沢のある檜のウッドテーブルを照らしていた。
「早起きだな、ナポレオン」
「…なんだ、シャルルか」
1階の寝室から出てきたのはシャルルで、未だに眠い頭を振り、眠気を覚まさせていた。そしてキッチンにあるコーヒーメーカーを起動させ、コーヒーを淹れていた。コーヒー特有の香りが一瞬ナポレオンの鼻を掠める。
「……そんな険しい顔をしてどうした。コーヒーは嫌いか?」
「いや。よく飲めるなって」
「嗚呼…お陰でスッキリする。まぁ俺は砂糖スティック1本入れるのが好きなんだが。朝は純粋なブラックコーヒーの方が余計に醒める」
「そうか」
「ヴァスコにガキだなんだ言われるよりはマシか?」
「フン、ボクもカフェオレくらいは飲む」
「ハハ、そうか」
「そう言えばオマエ、腕…付けてるんだな」
「ん?あぁ…フェリペを起こさせて付けてもらった」
「ふーん…アイツもアイツだな」
「今頃二度寝をしてる。そろそろ誰か起きてくるだろう…そうだ、朝食は何がいい」
「………和食」
「昨日の朝も和食だったろう…まぁいい。若布の味噌汁と白米と……ナポレオン、アイディアくれ」
「知るか」
そう冷たく言い放ったナポレオンにシャルルは1つ溜息を吐いた。それを悪く思ったのかナポレオンは再度、口を開いた
「きんぴらごぼうと、ほうれん草のごま和えお浸しと、冷奴と卵焼き」
「……細かなリクエストありがとう。この時間帯に作らないと、お前らは直ぐに文句ばっかり言うから、何時も起きてるお前からの言葉は何とも有難いよ」
「…………チッ、ボクは何時もじゃない!睡眠時間が短いだけだ!少し寝れば大丈夫な体質なんだ!!」
「シー…まだ早朝だぞ。そうだナポレオン手伝え、手伝ったら卵焼き増量してやる」
「そんな子供じみた誘いには乗らないぞ」
「そうか。ならいい」
シャルルはそう言って淡々と材料の準備を始めた。途端に小刻みのいい音を出す包丁とまな板のかち合うコンコンとした音が妙に心地いい。
「………………」
「………そんなに見るなら手伝え」
「…分かった」
案外素直に聞いてくれるものだな、とシャルルは思った。そして2人で料理を再開した。
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