山風家の一年間。その1 (ページ37)

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次男は五男の説得に掛かりました。

「潤は、許してくれる？」

「…好きにすれば」

泣きそうになっちゃうのを必死に堪える五男。

声が震えるのを必死で普通に何でもないように振る舞い

泣きそうになって目が潤むのがバレないように下を向いて

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でもそれ、全部気付かれてます、次男に。

「…ありがと、潤」

すると、ずっと見守っていた長男がおもむろに口を開きました。

「…本当に潤はいいのか、それで。

…本当に翔くんの好きなようにしていいのか？

翔くんきっともうあんまり帰ってこないぞ。

それに、帰って来るにしても潤の居ないときにするって。

もう、ずっと会えないぞ。

言いたいことあればちゃんと言っとけよ。

後悔するから」

長男の言葉は重みのあるものでした。

勿論

潤の居ないときに…なんてこと

次男は一言も言っていません。

　

五男は言いました。

「翔にぃ、外出よう」

そう言うと次男は

ふんわりと嬉しそうに笑いました。

それを見た長男もふんわりと笑いました。

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それを見た三男は言いました。

「やっぱ、あの二人は兄弟だね」

　

それを隣で聞いていた四男は

「当たり前でしょ。潤くんは翔にぃにべったりなんだから」

と、赤くなった目を擦りながら的外れなことを言いました。

すると、三男は

「…ふふ。和可愛い」

と言って目を擦る手を取りながら

もう擦らないの。

と、お兄ちゃんの顔をしながら言いました。

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それで、四男の顔が目よりも真っ赤になったことは言うまでもありません。