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Aは窓際まで行って外を見下ろした
『今、うちの社員が此方へ向かっています。マフィアと衝突する為に』
その言葉にハッとして、紅葉は一旦思考を停止する
『貴方以外の構成員で、一番厄介なのが中也。だから、非戦闘員である乱歩さんが足止めにかかると思います』
紅葉は強いが、森を守る為に本部に残る
となると、一番強力で厄介なのが幹部である中也だ。だが、その中也を非戦闘員が足止めする、と?
「…非戦闘員が中也を止められるとは思えんが」
『ふふ、足止めさえできればいいんですよ』
そして次。
今、地下避難室に移送させている森を殺しにかかるだろう、とAは云った
先刻、谷崎を救出に来た時。「この建物は昔の庭。裏口も潜入経路も頭に入ってる」と鏡花は云った
だが避難室に移送させているということは、鏡花は解錠番号を知らない。だから聞き出そうとする
『解錠番号を知っていて、尚且つ捉えやすい者』
「…樋口か」
Aが紅葉を見て頷く
『ですが、上司である芥川が助けに入るでしょう。二人の対決という訳です』
微笑みながら紅葉に近付く。だが、目の前まで来ると真剣な顔付きになった
紅葉の身体に力が入る
『森さんは、未だ一度も目覚めていない。貴方達に指示を出していません。だから信じてもらえなくても仕方が無い』
静かに息を吸って、吐く
紅葉の目を真っ直ぐに見た
『森さんは、「探偵社と争うな」…そう、云っています』
「!」
この二大異能組織が争えば、街の崩壊は免れない。一般人をも巻き込むかもしれない
そして、それがドストエフスキーが望むことだ
だが、そんなことは探偵社もマフィアも、全構成員が解っている。それでも
「…鷗外殿が申したことではない」
『その通り。でも私には判ります』
紅葉はAについて、中也から聞いている
勘で、文字通り "何でも判る" と……そんなこと、有り得ないと思っていた。否、今でも思っている
だが……マフィアが捕らえた太宰を救出する為に単身で乗り込んだ
同僚である安吾が
なのに監視カメラに一切映らず、暗証番号を正確に入力して太宰が居る場所まで辿り着いた
"凡て知っている" としか…考えられない
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夢蝶蘭(プロフ) - うさぎさん» うわー!その通りです…ご指摘ありがとうございます!いつも更新遅くてすみません(><) 頑張ります! (2019年2月9日 1時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - あの、「248話」の15行目が「早く食べないよってこと」になってますよ〜!多分「早く食べなよってこと」ですよね?もし私が間違っていたらすみません。続きのお話、楽しみにしています! (2019年2月8日 23時) (レス) id: fab1d5b1bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年9月13日 23時