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探偵社員達は動けなかった
福沢と何を話したのか問いたい。何がどうなっているのか問いたい。
今迄なら直ぐに問い質せていた。だが、もう全員解っているのだ
そんな中、意外にも彼女が動き出したことに皆驚いた
Aの腰に小さく衝撃が走る。驚いたように視線を移すと、そこには鏡花が居た。Aを見上げる目には切実さが溢れている
Aは少し首を傾げて微笑む。それが優しい笑みで鏡花は安堵するが、Aの言葉によって真っ暗になった
『どうされたんですか?』
優しい声。でも、どこか冷たい声。
何度も名前を呼んでくれた。可愛いと云ってくれた。優しく抱き締めてくれた。
温かかった。
涙は出てこなかった。けれど、小刻みに震えた
鏡花の手の力が抜けていき、Aの足から離れた時、急に階段の方から足音が聞こえ、全員が其方を見た………が。
『あ』
「あ"ーーーーッゲッホゲホ、」
断続的に鳴る電子音。Aの携帯のアラームだ
直後に未だ顔を見せていない司馬の声が聞こえる。軽く過呼吸を起こしていることに気が付いて、聖が駆け寄った
「大丈夫かよ」
「は、は、は………大、丈夫に…見える…?」
「見えない」
「俺の…………休暇………………」
「お前は何時も休みみたいなもんだろ」
『それは云いすぎ』
聖の手を借りて司馬はやっと廊下に辿り着く。惨状を見た彼は少し引いたような声を上げた
「未だこんな莫迦いたんですか…」
『いたみたいだねぇ。私って結構大物らしいよ』
「「今更」」
呆れたように二人は云う。司馬が男全員に触れ指を鳴らすと、一斉に全員消えた
司馬が振り返って二人を見る
「じゃ、俺はこのまま?」
『待つだけだね。車は譲って』
「それは有難い。お礼に送りますよ」
『優秀〜。明日は聖の手作りご飯です!』
「やったね」
「時間通りに起きろよ。病人食作っててやる」
「キーワードは「健康」かよクソ」
バチンッと司馬が二人の掌を叩いて、指を鳴らした
*
「追加エピソード7」にて遼が、猫を撫でたら他と一緒にテレポートしてしまう、とあったのですが、
男→男→猫→男…
となるので、あの瞬間は無理だっただけです。今回は聖に引き上げられてから男達に触ったので
聖→男→男→男…
となり、これは男達のみテレポート可能です
ちゃんちゃん。
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夢蝶蘭(プロフ) - うさぎさん» うわー!その通りです…ご指摘ありがとうございます!いつも更新遅くてすみません(><) 頑張ります! (2019年2月9日 1時) (レス) id: 6710be5598 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - あの、「248話」の15行目が「早く食べないよってこと」になってますよ〜!多分「早く食べなよってこと」ですよね?もし私が間違っていたらすみません。続きのお話、楽しみにしています! (2019年2月8日 23時) (レス) id: fab1d5b1bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢蝶蘭 | 作成日時:2018年9月13日 23時